自室で銃の手入れをしていたら携帯が鳴りディスプレイにダメツナと表示されていたので何時もより早く通話に出てやった。別れたのか、それとも殺されそうになったのかと人の不幸は蜜の味ってことで俺は笑みを浮かべていた。名前が幸せになれればツナはこの際どうでもいい。あんないい妻がいるっつーのに浮気したあいつが悪いんだ。俺は助けても庇ってもやらねぇからな。
だが、期待とは裏腹に「仲直りしたんだよ」とツナの嬉しそうな声が聞こえた。仲直りってかお前ら他所から見たら喧嘩してたなんてわからねーほど仲のいい夫婦だったぞ。2人とも愛想がいいから余計に理想の夫婦だとか思われてただろうな。なんだ名前のやつ浮気を許しのか?もともとあいつは浮気で怒ってたんじゃなくて外に出たくて反抗的だったんだと思うが普通自分を家に閉じ込めといて浮気した夫を責め立てたりするもんだろ。実家に帰るってもあいつは縁を切られて帰れないからディーノんとこに行くとか取り合えずツナに反省させるべきだ。
ボンゴレの為に名前が苦しむ必要はないんだ。ボスの奥さんだからって我慢なんてする必要もねぇんだよ。ツナが威厳を失わないように部下がツナに失望しないようにって誰かの為にじゃなくお前の本音をツナにぶつけてやれ。ツナはそんな柔じゃねぇんだ。なんてったってツナはこの俺の教え子なんだからな。だけど名前は自分の胸の内に秘めとくらしい。それともあいつの事だから忘れてやるんじゃないだろうか。少々そんな甘過ぎる名前に苛立ちを感じ舌打ちしたらダメツナの苦笑いが聞こえた。別にお前らがイチャついてるからって妬んだわけじゃねぇよこのクソっ。名前が後ろから抱きついてきてるってそうゆう現状報告はいらねえよ。この俺に迎えにこいって?俺をアシに使おうとはいい度胸じゃねぇか。たぶんツナの後ろで名前は俺が余計な事を言うんじゃないかって焦ってんだろうな。たまたまボンゴレの屋敷にディーノが遊びに来ていたので俺の愚痴を聞かせるため助手席に乗せ同行させた。そう言えばディーノはツナが浮気した事を知らねぇんだったと乗せてから気づき話せねぇいらつきから取り合えず荒れた手つきで運転しといた。ディーノはそんな俺を見兼ねてか「まあまあ、おつちけよリボーン」となだめてきた。俺は十分落ち着いてるぞ。そう短く返した俺にディーノは空笑をしていた。たぶん顔だけじゃなくてこいつのこういうところもモテるんだろうな。待ち合わせ場所に行けば既に仲睦まじく手なんか繋いで待ってるツナ達が居た。ディーノの方の窓を開けツナめがけて撃とうとしたらディーノに真顔で止められ本日2度目の舌打ちをし懐に銃をしまう。

「ディーノさんお疲れ様です」

「よ、よう名前!」

「心配おかけしてすいません」

「謝んなって!解決したみてーだしな!」

取り合えず車から降りてツナを殴っといた。状況がよくわかってねぇツナは「なんで!?」と驚いてやがる。その間に名前は後部座席に乗ってディーノに謝罪をしていた。このダメツナの所為でお前が謝ることなんかねーぞ。さっきの一発は名前が耐えた悲しみの分で次に殴るのはお前が俺の期待を裏切った分だ。俺はお前に好きな女を泣かせる為の力をつけさせたんじゃねぇ。仲間だって大事だ。けどな、自分を此処まで愛して支えてくれる女を守ってやれなくてどうするんだ。
声に出せない怒りをツナにぶつけやっぱり二発じゃ足りないと思いもう一発殴ろうとしたら今度は名前に止められた。そんな無理に笑ってんじゃねぇよ。何が「だいじょうぶ、私はだいじょうぶ」だ。大丈夫の使い方おかしいだろ。まあ、そこまでしてお前が止めるんだから今回はこれで許してやる。名前の髪をぐしゃぐしゃと撫でて運転席に戻ればディーノが「ちょっとスッキリしたぜ」と言ってきた。なんだこいつも俺と同じ気持ちだったのか。殴られた意味を理解してねぇツナはどうやら迎えにこさせた八つ当たりだと思ってるらしい。


((こんだけ鈍いと笑えねぇな))


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