「ごちそうさまでした。」

エドワードさんの作った料理は本当に美味しかった。喫茶店で出しているものも全て作っているのだろうか。

それにしても。

料理を食べるエドワードさんはなんだか妙に納得がいくぐらい横着で。せっかく綺麗に盛り付けたチキンもきっとアルフォンスという客がいたからだ。食事を始めるとまっさきに骨と身を全て削いで分けていた。効率的だし、身を削ぐのは悪くない。けれど最初に全てそうしてしまうとお皿の中は削いだ肉とサラダでぐちゃぐちゃだ。

幸い僕の皿とは別なので何も言わないが。

「お皿は僕が片しておきますから、エドワードさんもお風呂入ってきてください。」

バケットをかじっていた彼にそう言うと、もぐもぐと口を動かしたまま何やら言っているが、頷いてるあたり、わかった。ということなのだろう。

それから食事を終えて、お風呂に入りに言ったエドワードさんを見送ってお皿を洗い始めたのはいいが、

長い。

あまりになが風呂な為に勝手にコンセントを借りてリビングで仕事を始める。ローテーブルなので、ソファーには座らずに、床に敷かれたふかふかのラグに座っている。

それからだいぶして上がってきたエドワードさんは、腰にタオル1枚で、男とはいえ正直目のやり場に困るのでそうそうに着替えてもらった。

その、細腰が、思いの外魅力的だったことや垂れる髪の毛が色っぽかったことは黙っておこう…。

「そ、それにしても長かったですね。」

寝間着、もとい替えのスウェットは少し大きく、袖を余らせて歩いてくる彼に問うと、ああ、と言いながら未だにタオルが巻いてある髪の毛を指差す。

「これ、洗うの大変なんだよな。」

といって首にタオルをかけ直して、隣に座ってくる。横から覗くエドワードさんの髪はまだ滴っていて。

( うわ、良い匂い。)

同じシャンプーを使っているのに、凄くいい匂だ。それに髪から滴る様子が更に…、て!

「ちょっ、と!エドワードさん!髪の毛っ!ちゃんと拭いてもください!」

思わず右手でタオルを掴むと、わし。と頭を掴む。

「いやー、めんどくさくて。」
「はー…、拭いてあげますから、あっち向いて。」

そろそろ切ろうかな。なんて本人はぼやいているが綺麗な髪だ。勿体ない。丹念に拭いてやると、やっと湿りがとれてきた。まぁ、確かに自分の髪だったらばっさりいきたい。

でもエドワードさんの髪なら、なんか、そんなに苦でもないな。なんて思っていたものだから、つい口に出してしまったのだ。

「……切るなんて勿体ない、拭いてあげますから切らないでください。」

いった瞬間、ぼ。と顔に熱が集まるのがわかった。なに言ってんだ自分!!

「え!ほんとか!?飯作ってやるからさー、頼む!」
「へ、あ、は、はい!」

そんなんでいいのか…、と思いつつも本人は然して気にしていないようだし、こんな関係も楽しいからいいか。

と、無理矢理納得することにした。







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