馬鹿の集まり







な、んで
からだ、うごかないの?




今頃きっと、晋助は
名前先生と楽しそうにしてる


トシとか総悟くんは、喧嘩してるんだろう

誰も、アタシのことなんか考えてない。あたしは、誰かのことでいっぱいなのに


いつでも




「旭」

『痛っ…』




神威くんの行動は、エスカレートして行く
首筋を、噛まれた
、このままじゃ




「すごい、好き」




嘘だ
うそだ


何で、こんな事すんの
本当に、好きなら



こんな事、しない
好きな人なら、傷つけたりしない




『や、だ……!!』


「いって…」




何とか、突き放せた。神威くんは、一瞬ふらついたけど、すぐに持ち直した。

なのに、どうして
…どうして
まだ、笑ってるの?




『何でこんな、事するの』

「ね、それさ。説教?」

『茶化、さな…いで!




神威くんなんか、だいっきらい!!』




嫌いだ。偽者の笑顔も、心配してくるフリして、こんなことするとこも


きっと今、あたしは真っ赤だろう
羞恥と怒り、自分自身に対しての。

何で、一瞬抵抗できなかったの

されるがままに、されそうになった。


諦めるなんて無理なくらい、大好きなくせに

こんなに、晋助の隣を誰にも譲りたくないって思ってるのに

気持ちだけは、こんなに戻れないところまで来てしまったくせに




『晋、助……っ』




こんなに、晋助のことで一杯なのに




『会いたい、よ…』




こんなに、大好きなのに
それを伝えることは出来なくて
ちがう、しようとなんかしたこと無くて


ずっと、
ずっと
ずっと



友達の、ままでいた



ずきずきって、首を噛まれた痕が痛い
この痕が、消えるまで。消えても、神威くんにされたことは、きっと忘れない

首の痛みよりもずっと、胸の方が痛かったから





沖田side




「自習はじめー」




銀八のやるきなさそーな声を合図に、3Zの面々は思い思いに騒ぎ始めた。
元々、授業を真面目に受ける質じゃない生徒には、無理もねぇか…


随分前にチャイムが鳴って、5時間目の授業が始まった。
それなのに、旭は、帰ってこない




「…旭、あんまりにも遅すぎじゃないですかィ」




不本意ながら、前の席の土方に話しかけるしかない。
旭の事に関しては、このクソヤローも俺と同等でしかないのだから。俺じゃ、旭の"特別"にはなれねぇ




「さっきから、ずっと電話してんだけどよ
全然出やしねぇ…神威に、何かされてんじゃ」

「探しに、行きますかィ」




ガタンッ!!




「!!?」




突然、高杉が大きな音をたてて立ち上がった。何が、起こったのか、一瞬理解が出来ない。しばらく停止して、やっと分かった。

##MNAME1##を、探しに行く気、だ。
だが、銀八は、それに静止の声をかける。




「オイオイ、どうした高杉ィ。
俺の授業は聞けませんってか?そうなのか?」

「…うるせぇ。もともと、授業なんて真面目にした事ねーだろ」

「ま、それもそうだけど。お前、日数足りねェからこれ以上サボらすわけにはいかねェんだわ」




それでも、銀八を無視。

俺の席を横切って通ろうとする高杉の腕を掴む




「お前、旭の事探しにいくつもりか」

「だったら、なんだよ?」

「俺は……アイツを…………旭を、無駄に傷つけのんは許さねェからな」

「……………」




高杉は、俺と土方さんを一瞥した後、教室から出て行った。
思わず、ため息を吐く。




「高杉、自分のイライラの原因、分かってねぇな…」

「馬鹿だから仕方ないでさァ。でもま、これで心配はいらねぇや」




一応、クギはさしておいた




高杉

オメーだけが、旭の事大切に思ってるわけじゃねーんだよ


俺だって

俺らだって、旭の事守りてぇと思ってるんだ。


だけど、旭は俺らに頼ることなんてしない

全部一人で抱え込んで、苦しんでるから辛いんだ、って
少しは、俺らに分けてくれたっていいじゃねぇか、って

そう、言いたいのに言えねぇんだ




「…本当、馬鹿でィ」






馬鹿の集まり
(俺らも、高杉も、旭も)








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