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夏休みも最後の土日。再び東京遠征です

「よーお!」
さっ
「・・・ふっふっふっ」
「・・・」

今日こそ『のしっ』をさせるか!と避けてやったぜ。へっへー!あっ!!

「赤葦さん赤葦さん!」
「・・・・・・あ。どぅも」
「前回の遠征では本当お世話になりましてありがとうございました!!今後も翔陽含め宜しくお願い致します!!」
がばーっと頭を下げる。ほんっと感謝してるんです!
キラッキラの目で見ていたようで、スガちゃんに「ひなちゃん、引かれてる引かれてる!」
と後方に下げらされた。なんでや。あっ本当に引いてる・・・あぁ、私の心のオアシス・・・!

「抱き合った仲なのになーヒデェなー」
「クロさん煩い。大体アレは虫の所為です。もうクロさんとは仲良くしません。」
「ぶふーっ!!」
「あっ日向せんぱーい!」
「リエーフくん!久し振り〜!」
「お久しぶりです!日向背伸びた?」
「相変わらず失礼な奴だなおまえは!!」

「ち、チィッスお母さん!」
「生んでない。」
相変わらずな猛虎くん・・・もうこのツッコミ疲れた。
つーか!リエーフくんに懐かれてる?懐かれてる?!かーわーいーいー!


「さち〜〜!!」
「あっ雀ちゃーん!」

春高予選を挟んでの遠征。なんだか随分と久し振りな気がする。そこかしこで久し振り〜の挨拶が飛び交う。
だけど、そんな挨拶も終わればすぐにアップや準備で大忙しです。一泊だと、またまた練習試合三昧!だけど、なんと!!

「コーチコーチ!!」
「なんだ。」
「見てこれ凄い勝率上がってる!!」
「マジか!・・・ん〜・・・」
「音駒と梟谷にはアレですけど!でも、得点率上がってるんですよー。練習成果が出てますねー!」
「おー・・・ん、まだまだだけどな!」

そうだ、まだまだ、強くなれる。
・・・それにしても、本当に皆、凄いなぁ。
毎日毎日部活三昧。こんなに暑い日に。普通の若者なら、クーラーきいた涼しい部屋でゲームしてるわ・・・。・・・おばさん発言が出てしまった。
「ヘイツッキー!!

今日もブロック跳んでくれヘイヘーイ!!」

「・・・・・・

・・・ハイ。お願いします。」

「「「?!?!?!」」」


えぇぇぇぇぇーー!!!!

「ちょ、コーチ!!!」
「そーなんだよそーなんだよ!!」

ふおおおおツッキーーー!!!ツッキーーー!!!

「ツッキー・・・!!大人になって・・・」
「わかる、わかるぞ日向よ・・・!!」

そっか、そうだよ、確かこの時期原作じゃツッキータイムだ!!なんかお兄さんのチーム行ったりしてたんだよね。本気モードだ!思い出した!という事で合宿中、ツッキーの様子を伺う。おお・・・めっちゃクロさんロックオンしてる・・・。こうやってたくさんの情報を集めて、自分で考え消化して生かしていく。ふふ、超高性能機器って感じ。烏野の理性だもんね。頑張れ。


そんなツッキーの変化を感じた遠征も終わり、とうとう夏休みは終了。9月となった。
9月、何があるかおわかりだろうか。そう、体育祭である。とはいっても3年は受験も控えてるので、メインは1、2年だ。去年も一昨年もやったけど、これといって何かが起こる事も無く。しかし今年は違う。なんせ翔陽がいる!!部活対抗リレーがある・・・!!
これ、毎年スポドリ粉末ゲットして欲しいから死ぬ気で頑張れって言ってたんだけど、今年は見たいから特に何も言わない。なんか原作でめちゃくちゃ面白かった事だけは覚えてる。何より翔ちゃんの体育祭なんて中3で見て以来だし凄く楽しみなのだ。
勿論カメラばっちし用意してるぜ!



「悪いけどウチの1、2年ヤベェから」
「ハァ〜〜?!ウチの1、2年だってヤベェから」
「まぁ色んな意味でな。」

「ゆきちゃん、吉田くん何かがみなぎってる・・・」
「さちこそ、菅原どうしたの・・・」

リレーはノヤ、田中、影山、翔ちゃんの順番だ。なぜその順番なのかは謎だが4人は自信満々である。

パン、という音と共にスタート!おぉノヤっさん速い!!
「わぁノヤーがんばれー!!」

『あーっと!ここで野球部痛恨のバトンミスーー






拾ったーー!!』





「あっははははははは!!」
ちょ、お腹痛い!!駄目だ!しかも運動場なのに怪我もせずに大変素晴らしい!
「キャーーー王子山くーーん!!」
はっ!田中だ!
おお、凄い抜き方・・・!王子山くんをガン見である。耳栓与えておくとかスガちゃん素晴らしい・・・!!
次は影山。おぉ、速い速い!!・・・おおお!女子に応援されてる!!!影山ってバレー以外残念だけどやっぱり顔も良いし背も高いしモテるんだなぁ。姉としては翔ちゃんもモテて欲しいんだけどなぁ。でも、体育祭ここまで、翔ちゃんへの応援は男子だらけだ。友達多いなー。さすが!ま、モテなくても楽しそうだしね!

さぁそんな翔ちゃんにバトンが渡ると思いきや、多分、目があったのだろう。
「うおおおおおお」

「競っちゃった!!!」
ビチーンとスガちゃんが倒れる。

「あははははは!ちょ、スガちゃん大丈夫?!ぶふっ!!」

『バレー部失格ー!』




あー最高に面白かった!!


ゲラゲラ笑ってたら潔子ちゃんが「スポドリ粉末・・・!」と言っててそれにもちょっとウケたら実は怒ってたようで絶対零度の視線を頂き「ウチの子がすいませんでした」と即謝罪した。

そんな楽しい体育祭も終わり、日々はどんどんと進む。

ツッキーが突き指してたので
「山口!ツッキーが突き指してる!」
「えっ!!ツッキー突き指大丈夫?!」
「ちょっとリズミカルに言うのやめてくれない」
「ごめんツッキー」
と言わせてニヤニヤしてツッキーに冷ややかな目で見られたり。新変人速攻の成功率が9割を超えたり、再び遠征に行ったり。
あっという間に代表戦前日となる。

という訳でミーティング時、恒例の対戦相手資料を配る。

「はーい。では条善寺です。インハイ予選でベスト4に入ったチーム。その頃から2年が主体だったので、3年が抜けた穴とかはあまり関係ない感じですね。2年前、監督が変わりチームとしてもすごく変わった。なにしてくるか解らないです。お祭りチームって言われてる。不確定要素が多い。」
「不確定要素?」
「練習方法が特殊で、ひたすら2対2をぐるぐるやってるんだって。だから、セッターがスパイクしたり、変な攻撃をして来るから、それに惑わされないように頑張ってくださーい。モットーは、『楽しく遊ぶ』って感じです。以上!」
「あそぶ・・・?」
「おぉ・・・相変わらずの情報量・・・!」



そんな感じでミーティングも終了。
帰り道、外はすっかり寒くなってきた。

さぁ、準備は整った。
いよいよ始まる。










「田中、ノヤっさん、ちょっと」
「「何スか?」」
「条善寺は少々ノリの軽い奴が多くてね、会場で他校の子をナンパとかしてるらしいので、しっかり潔子ちゃんとやっちゃんを守ってね!」
「「ハッ!任せて下さい!!」」
「っしゃー!!気合い入れんぞ龍!」
「おう!!」




「・・・喧嘩売れって言ってるんじゃないからね?」
「エッ・・・?!」

「・・・お前ら喧嘩売ったらどうなるかわかってるよな?」
「「!!!」」ビクッ
「さちは自分も気をつけなさいよ」
「えっ??うん??」

(もうやだこの子危機感ゼロ!!)
(大地が頑張れ!)


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