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まぁ、朝ですね。ちょっとしか寝れなかったんですけど。

だって休日の大地くんに会うとか・・・は、初めてじゃね?!いや、遊びに行った事はあるんだよ、でも部活帰りに、行こうぜーってなノリだったからほぼジャージか制服だったのだよ。だから私服って本当に無い気がする・・・。
ちなみに本日の翔陽さんは、影山くんとやっちゃん家に勉強教わりに行くらしい。これやって来るよーに!と渾身の仮テストを渡しておいた。

さて、私はというとやっぱりちょっと気合い入れてオシャレなんてものをするわけで。とはいっても基本的にゆるっとしたカジュアルな服装が多いので、無難にワンピに薄手の羽織り、レギンスにヒールサンダルという夏仕様。うん、その、せめて妹に見られないようにという目標である。それと、ちょこっとメイクなどしてみたり。
さすが10代!ファンデはほぼナシでイケる!
まぁ、この時期手入れを怠ると将来どうなるか身をもって知ってるだけにそこはキチンとお手入れ済だ。アイメイクも控えめに、でもぱっちりお目目を目指して。平均というか前世と比べて日向家顔面偏差値高いわーほんと羨ましい。後は色付きのリップくらいで。うん、髪はハーフアップで。
よし、オッケー。

という訳で待ち合わせ場所にやってきた。
はーちょっと緊張するなぁ。おかしなとこないかな、なんて、デートでもあるまいし。

「ーー・・・さち?」

ソワソワして待ってると、名前を呼ぶ声が聞こえた。
ぱっと振り向くと待ち人だ。
「大地くん!」
振り向いて固まった。

ぎゃーー格好いいー!!!!

いやふつうのTシャツとジーンズなんですけどね!似合う〜〜!!色の組み合わせのセンスが良い!わ、見たこと無い靴だ、とか。つーかジーンズ!とか。もはや何でも良いんか!と自らに突っ込みたくなる。いや、ほらちょっと心配しない?年中四字熟語Tシャツの奴らを見てるからさ・・・。



「おっおはよう朝早くからごめんね?」
「っあ、おう、おはよう、」
首の後ろに手をやり、フイっと目を逸らしながらそう言った。
なんだかちょっとだけ頬が赤くなってるよーな。照れてる?・・・まさかね、今日暑いもんね。

「暑いねぇ今日!さー田中ん家行こ!」
「お、おう、こっち、バス乗るから。」
「はーい。」

大地くんの隣に並んで歩き出す。
おお、ヒールだからかいつもより大地くんの顔が近い気が。

「ねー今日背高くない?高くない?!」
「へ?あっ、そういえばそうだな・・・。」
ちらっとこっちを見たかと思ったら再び目を逸らす。

・・・何だろうか、そっけないような。・・・やっぱり迷惑だったよね・・・大体私が住所聞いておけば良かったのに。本当情けない・・・。

「・・・ごめんね、今日、迷惑だったよね・・・」
「は?!あっいや、違う違う!」
「?」
「迷惑なんて思って無いからな!絶対!」
「?・・・そう、ならいいんだけど・・・」
「あ、あーいや、なんか今日雰囲気が違うから、さ。」
「へっ?あ、そ、そうかな?!私服で会うなんて中々無いもんね!大地くんも雰囲気違うよ!大人っぽくて格好いい・・・・・・と、思います・・・はい・・・」
「ふはっ!何で尻つぼみだよもっとほめていいぞー。」
「うわっ調子のってるー!」
「ははっ!あー、さちも、可愛いよ。」
「うぇっ?!あり、あ、ありがとう・・・」
「おーおー照れてんのか。」
「う、うるさいなぁ!天然タラシか!」
「いや待て初めて言われたぞそんな事。」

ぎゃー!!!ついベラベラ喋ってしまったと思ったら凄いカウンターが返ってきた!!心臓フルボッコである。まぁ、で、でもなんか普通になってきたから良しとしよう。うん。

その後、バスで揺られ〜の歩きながら到着した田中家。
お、烏野食堂車がある!バイクもある!居る、これは居る・・・!!

「そーいや行く事も言ってないや・・・」
「ま、大丈夫じゃないか?縁下達も居るんだろ?」
「って言ってたけど・・・」
と言いながらチャイムを押してみる。

『はーい』
「あっお忙しい所申し訳ございません、龍之介くんいらっしゃいますか?」
「・・・営業のような挨拶だな・・・」
『えぇっ?!』
ガチャン!

・・・切れた。これはどういう・・・?まさか押し売りと間違えられた?!と思ってると家からダダダダダダと大きな足音と、ガラガラッと勢いよく玄関を開ける音。
びっくりして音の方を見ると、眩しい金髪オカッパでナイスバディな女性が。
きゃー冴子姉さんだ!と思ったら再びガラガラッと閉められた。

な、何故?と思ったら家の中から叫び声が聞こえてきた。

『龍ーー!!!あんたに客だよ客!めっちゃ可愛い女の子ー!!!』
『『えええええーーー!!!!!!』』


「・・・大地くん、盛大な誤解が生まれてるようですよ・・・」
「ふ、ふはっ本当に・・・!!くっ・・・!」

ドドドドと音が聞こえてきたと思ったらまたまたガラガラガラッと玄関を開ける音。今度は田中が現れた!目をこれでもかと開いている。
ばっちり目が合ったので「おはよー」っと言ってみるとがくっと崩れ落ちた。



「・・・ただのさちさんとか・・・!!」



「え、これ殴っていい?」
「俺もいるぞー。」
「えっ大地さん?!」
「うおお大地さん!あっさちさんも!ちーっす!」

なんでノヤまで出て来た!そしてなんで大地くんがいたら嬉しそうにするんだよちくしょう!!!いいよもう!スネてやる!

はー・・・。そんな訳でちょこっとお邪魔します。冴子さんは、龍に女の子が訪ねてくるなんて初めてだったからさーゴメンゴメン!なんて謝ってくれて。自己紹介なんかしちゃったりして。

・・・想像以上の乳だった・・・!!



で、お邪魔しました田中の部屋。2年勢揃いです。
テスト対策の過去問も広げてあって活用してくれてるのがわかって嬉しかったー!
渾身の仮テストだぜ!っと目的のブツを渡す。
皆目がキラッキラでした。あざーっす。
この後3年は皆でテスト勉強する予定な事を伝えると、それまででいいんで教えて下さい!と大地くんが捕まった。私も教えようかと思ってると、

「ハイさっきはゴメンねー。」
っと冴子さんがお茶を入れて持って来て下さった。
「とんでもないです、こちらこそ急にお邪魔してすみません!ありがとうございます」
「いーっていーって。コイツらの勉強の為なんだろ?ありがとなー。」
「は、いえいえ、あの、お姉さん・・・」
「冴子でいーよ。なに?」
「冴子さん今度春高予選あるんで、是非観に来て下さい!ついでにこのポスター、バイト先なんかに貼って頂けませんでしょうか?!図々しいですねすみません!」
と、畳み掛けてみたら
「あっはっはっはっ!何なのアンタ面白い!龍の嫁になんない?」
「田中くんには別に想い人が!」
「エッ何それ知らないんだけど!誰々?!」
「そこウルセーぞ!」
・・・と、まぁ仲良くなれて連絡先も交換出来た。冴子さんは思ったより田中に似てたけど、めっちゃ美人ってか格好良い!仲良くなれて嬉しいなぁ!
ニヤニヤしてたら、大地くんにソロソロ行くか、と言われて時間を見る。確かにそろそろだな。

「お邪魔しましたー。」

と、今度は皆でお見送りして貰った。
再びバス停へと歩く。
あぁぁ本当に良かった良かった!冴子さんにも会えたし「はぁ?!」
「どうしたの?」
急に大地くんが叫ぶからびっくりした!
「あ、いや、それが、スガも旭も、清水も今日行け無くなったって連絡がきて・・・」
「えっそうなの?!」
「あぁ・・・。まぁ二人でもいいか。」
「・・・うん、そうだね。」
「はー腹減ったな。メシでも食いに行くか?」
「あ、うん、そうだね!」



思わず2人っきりになりました!
さぁどうする?!どうなる?!





・・・って勉強するだけですけどね。ちーん。
















『俺達今日行かないからな!がんばれ大地!祝!初デートv』



(・・・・・・スガの野郎・・・)


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