「パーティー、ですか?」


そう。と1つ頷く雲雀さん。群れるのが嫌いな彼がパーティーに行く理由は気になったけど、あの表情からして聞いてはいけないと思った。だからなんのパーティーかと聞いてみる。


「そのパーティーは何のパーティーなんですか?」

「…僕の誕生日だって」

「てことは5月5日ですね」

「めんどくさい」


雲雀さんにとってはめんどくさいのかもしれないけど私からしたらとても羨ましいもの。学生の頃ピシッとスーツを着た兄を見てどんなに羨ましがったか。綺麗なドレスに美味しい料理、微酔いでパートナーと踊るダンス、それはいつの日か夢の中でのパーティー。今回のパーティーは雲雀さんが主役。きっとマフィアのお嬢様達は皆、綺麗に着飾って雲雀さんに言いよるのだと想像しただけでも胸が苦しくなる。


「じゃあその日の書類整理は私がしておきますね」


雲雀さんがお嬢様達に囲まれるのを見るのがつらいからだけど、誰かがやらないと1日だけでも膨大な量の書類が積みあがる。それに書類整理は雲雀さんか私か草壁さんしかできないし。となると自動的に私がすることになると思っていた。


「ああ、それなら心配ない
その日は書類とかの仕事は僕のところにはこないから」

「え?」

「あたりまえだよ
出たくもないパーティーに出るんだから」

「じゃあ私はその日はおやすみですか?」

「…君も行くんだ、パーティーに」

「え…あ、はい」

「じゃあその日は沢田と一緒に来るといい」

「はい、わかりました!」


その後、雲雀さんのパーティーでの動きを聞いたり、署注意を聞いたりした。1時間しか雲雀さんはパーティーにはでないらしいけど私がそれ以上いたいならいてもいいらしい、けれど雲雀さんがいないのなら居たって意味がないと思ったから私は帰ろうと思う。私の身体は雲雀恭弥という男にしかときめかない、胸がきゅうと締め付けられるのも、顔がかあっと真っ赤になるのも、なんて不自由なんだろう。あと、いくらパーティーといってもマフィアが集まるから1人で行動はするなと。そんな言葉は私だからとか女だからとか関係なく言ってるのはわかっていてもきゅんとしてしまう。


嬉しい、でもつらい


20111226




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