沢田に呼び出された。ちなみに沢田兄のほうだ。朝、執務室につくなり机の上を見ると、『雲雀さん、おっはよー!これ見たら執務室に来てください。来なかった場合は雲雀さんの秘蔵写真貼り出します』とか書いた紙があったらから行くしかない。秘蔵写真ってなんだ、そんな撮られてはいけないようなことをした覚えがない。ほんっとめんどくさい。用があるなら来い。なんだかんだ考えてたら沢田の執務室のドアが見えてきて開けて入れば沢田がいた。


「ちょ、雲雀さんノックしてよ」

「は、誰がするか」

「いやいや、貴方がするんですよ雲雀さん」

「で、用って何?
あと秘蔵写真とかを返せ」

「秘蔵写真?そんなものあるわけないじゃないですか」


ないならこなければよかった。この呼び出しは嫌な予感がする。いや、絶対当たってる。こういう時はかならず当たってる。


「で、早く言いなよ」

「それがですね、もうすぐ雲雀さんの誕生日じゃないですか。それで取引先のお嬢様達がパーティーを開いてくれってうるさくてですね、だから雲雀さんのた」

「わかった」

「え!?本当ですか!!」

「うん、でないし開かないでよ。めんどくさいし群れにでるとかありえない」


パーティーとか嫌だ。今までに1度だけでたことはあったけど、あの時はさんざんだった。女がキャーキャー群がってきて腕を絡めてきたりベタベタしてきて最悪だった。あの時血の海にならなかったのが自分でもすごいと思う。


「それをどうにかして下さいよ」

「嫌だ」

「なら、秘蔵写真を…」

「ないんでしょ」

「あるんだな、それが!」

「返せ」

「じゃあパーティーに出て下さい。出てくれるならパーティーが終わったら返します」


くそっ。秘蔵写真があるかはわからない、パーティーに出ろ、なんでこんなやつにこんなにされなきゃならないんだ。こんなやつ呼ばわりは少しあれかもしれない、なんだかんだ言って強いと思うし。パーティーに出るとか本当に嫌だけど、沢田にからかわれるのはもっと嫌だ。


「仕方ないな、出てあげるよ」

「本当ですか!?」

「だけど条件がある
僕は1時間しか会場には出ない」

「そこをなんとか!」

「出ないよ
誕生日にそんなめんどくさいこと」

「はー、でも出てくれるだけ有難いです」

「じゃあね」

「はい、ありがとうございます」

ちらりと沢田を横目に執務室をでた。沢田はとても笑顔でニコニコしていた。そんなに嬉しいのか?まあこれで、1時間程度で写真が返ってくるのなら安いものだと思おう。パーティー、か。


「そんなに女に寄り付かれるのが嫌なら女の1人でもつくれ」


ふと前回のパーティー前の赤ん坊の言葉が浮かんだ。


頭の中に浮かんだのは


20111226





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