キミとのセカイ4



ガチャンという音とともに玄関のドアが閉められた。
これでローエンとは最低4ヶ月の間は会うことが出来ない、そう思うと少し寂しい気がするが我侭なんて言ってられない。
なんたって僕はまだ10歳の子供で、大人に面倒を見てもらわないと生きていくことすら出来ないのだから。
そんなことを考えながらドアのほうを見てぼーっと突っ立っていると、真後ろから声が聞こえてきた。

「おい、青少年。
 お互い言いたいことは色々あるだろうけどここは暑いからとりあえず部屋に入ろうぜ」

ここには僕とあと同居人になる男性の二人しかいない。
ということは青少年、とは僕のことだろう。
僕はドアから目を離して男性のほうを振り向くと、こくんと首を上下に動かして了承の合図を示した。
部屋に入ると廊下のじめじめとした暑さから開放され、冷房の涼しい空気がほてった肌を冷やしてくれる。
男性が机の前に座ったのを見て僕も向かい合わせになる位置に腰を下ろした。
ふぅ、と一息つくと男性が僕のほうを見て話し出した。

「まぁとりあえずは簡単に自己紹介だな。
 さっきもローエンから聞いたとは思うが俺の名前はアルヴィン、エクシリア学園の大学部の3年生だ。
 ローエンには…まぁちょっとした借りがあってね、それでおたくを4ヶ月の間引き取ることになった」

「あ、僕の名前はジュードといいます。エクシリア学園の初等部の4年生です。
 その、ローエンは僕の両親と仲が良くて、両親を事故で亡くした時に僕を引き取ってくれました。」

そんな簡単すぎる自己紹介をすませると男性は不意に立ち上がったかと思ったら廊下に一時姿を消して、すぐに戻ってきた。
その両手にはお茶のペットボトルが2本持たれている。

「へぇー、んじゃおたくもローエンとはずっと知り合いだったんだ?」

そう言いながら持っていたペットボトルの一本を僕の前に置いてくれる。

「いえ、僕は会ったことはなくて後からローエンにそう聞いただけで…。
 あ、お茶ありがとうございます。」

さっきと同じ位置に座ったと思ったら、もう既にごくごくとお茶を飲んでる男性に倣って僕も蓋を開けた。

「なるほど、ね。
 まぁとりあえずその話はいいや。
 そんなことよりもそれ飲んだらちょっと出かけようぜ、早くしねーと店が閉まっちまう」

僕は飲んでいたペットボトルの飲み口から口を離すと少し驚きながら男性のほうを向いた。

「え?今から?」

腕時計を見ると時間はもう9時になろうかという時間だ。

「あぁ、見ての通り今この部屋にはなにもない。
 ということはおたくが寝る布団もないってことだ。
 まぁ一人寝が寂しいから俺と一緒に寝たいってんならそれでもいーんだけど、ジュード君?」

「そ、そんなこと…!
 僕はそんなに子供じゃありません!」

からかわれているのがわかっても、つい言い返してしまう。
男性はクククッと笑うと悪い悪い、冗談だよと言って腰を上げた。
僕も横に置いていたショルダーバッグを肩にかけながら立ち上がる。

「布団買うついでに他に必要なもんも買っとくか。」

歩きながらそんなことを言う男性に肯定の意思を示しながら二人して部屋を出た。


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