おはよう、おやすみ




※時系列はED後くらい
 







ふと目が覚めるとベッドの横にある出窓から暖かい日差しが差し込んでいた。
カーテンは開け放たれており、どうやら昨日閉め忘れたまま眠ってしまったらしい。
今何時だ、と思いつつ手を動かそうとしたが何故か片手が動かない。
その代わりに「んっ…」と誰かの声が聞こえた。
首を横に向けてみると自分の片腕を枕代わりに眠っている、おそらく一糸まとわぬ少年の姿。
そこまでしてようやく、昨晩のことを思い出した。
久しぶりの逢瀬。
待ち合わせをしてた街で宿をとり、部屋に入った途端にジュードをベッドに押し倒した。
ジュードも嫌がる素振りも見せずにおとなしく自分の首にその細い両腕を回してくる。
ただただ、お互いがお互いに飢えていた。
そんなことを思い出しながら、空いているほうの片手をジュードの腰に回して自分に引き寄せる。
昨日はちょっと無理をさせてしまったかもしれない。
起こしたら可哀想だ。
そう思いつつもジュードに触れていたいという思いが勝っていた。

「ぅ…ん………アル…ウィン?」

「わりぃ、起こした?」

次第に閉じられていた琥珀色の瞳が顔を見せはじめる。
目をぱちぱちと数回瞬きさせてからジュードは少し顔を上げて、その瞳に自分を抱きしめている男の姿を写した。

「…ん、もう朝?」

まだ寝ぼけているのか、殊更ゆっくりとした口調で目を擦りながら尋ねてくる。

「あぁ、でもまだ起きるには早いからもう少し寝てろ」

腰に回していた手をジュードの頬に持ってくると優しく撫でて額に軽く触れるだけのキスを落とす。
そして腰の辺りまでずり下がっていたシーツをジュードの胸元まで隠れるようにひっぱった。

「…うん、ありがとうアルヴィン……次に僕が、目を覚ますまでこうして一緒に、いて…ね」

それだけ言うと再び目を閉じていくジュード。

「…あぁ、わかってるさ」

そう言うと再び腰に片手を回し、ジュードの柔らかい髪に顔を埋めながら自分もその瞳を閉じた。







「おはよう」から「おやすみ」まで一緒にいようか
(今日はその暖かな手を離したくないんだ)

[ 13/37 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -