その手のぬくもり
※性的表現を含みますので18歳未満の方は閲覧しないでください、すみません。
依頼されたモンスターの討伐を完了すると、その足のまま一行は依頼主へ報告に向かった。
そのまま体力の回復も兼ねて、宿を取ることにする。
久しぶりに取れた一人部屋の扉を潜ると、開け放たれていた窓から優しい風が吹きこんでジュードの髪を揺らした。
軽く髪を押さえながらもう片方の手で扉を後ろ手で閉めるとゆっくり窓辺まで歩みを進める。
相変わらず気持ちがいい風が吹き込んでくる。
しばらくその風を楽しんだ後、自分が疲れていたことを思い出したジュードは窓をそっと閉めた。
閉めた途端に風と共に音も遮断され、一瞬にして静かな空間が生まれる。
ジュードはふぅ、と一息つくと汗で汚れた身体をさっぱりさせようとシャワーを浴びに向かった。
わさわさと濡れた髪を拭きながらシャワー室から出てくると、先程までは居なかった筈のアルヴィンの姿を窓辺に見つける。
あれ?と思いながらも、ただ窓から外を見ているだけなのにどこか話しかけにくい雰囲気を醸し出すアルヴィンにジュードは歩くのと髪を拭くのを止めた。
音を出してはいけないような、そんな気がしたのだ。
しかし閉めた筈の窓は開け放たれており、冷たい風がジュードの風呂上りの身体を急速に冷やす。
「くしゅんっ」
そんなジュードのくしゃみに、ジュードの存在にやっと気がついたアルヴィンが
「悪い悪い」
と言いながら窓を閉めた。
「悪い悪い、じゃないよ。
何やってるのアルヴィン。
ここは僕の部屋なんだけど?」
そんな当たり前な疑問を口にするジュードにアルヴィンは
「知ってるさ、そんなこと。
でもおまえだって悪いんだぜ、ちゃんと鍵は締めとかねーと危ないだろ?」
ちっとも悪そうじゃない、むしろにやりとした口元からは面白そうな様子も窺える口調で言いながらジュードに向かって歩き出した。
「あれ?閉めたつもりだったんだけど…」
首をこてんと傾けながら少し前の自分の行動を思い浮かべる。
「閉めてなかったから俺みたいな悪い大人が入ってこれちまうんだろ?」
ジュードの傍まで辿り着いたアルヴィンはそう言ってジュードの身体をぎゅっと抱きしめた。
肩に掛けてあったタオルがはらりと床に落ちた。
「…アルヴィンどうしたの?」
いつもとは少し様子の違うようなアルヴィンをジュードは疑問に思って尋ねる。
「俺だってたまには人恋しくなる時ぐらいあるんだよ。
…なぁジュード、一人は寒いんだ…暖めてくれよ、いいだろ?」
「…しょうがないなぁ。
何だかアルヴィンは時々子供みたいになるね。」
苦笑しながらもそっと両手をアルヴィンの背中に回す。
今まで風に当たっていたせいかそれとも着ているコートのせいか、どっちにしても冷たい感触がジュードの手に伝わった。
「おまえの前でだけだよ」
そんなくさい台詞を言う目の前の男に、それでも少し顔が赤くなるのを止められない。
「…ばか。」
お互い少し身体を離すとじっと見詰め合って、そしてそっと笑いあって触れるだけのキスをした。
「ア、アルヴィ…ン…あ、あぁ……っ」
アルヴィンのそれがジュードの中を行き来するたびに甲高い声があがる。
開きっぱなしのカーテンからは満月の光が射し込んでいるため、暗闇に慣れた目ではお互いの顔から表情まで全てが丸見えだった。
恥ずかしいから閉めて欲しいというジュードの要求は既にアルヴィンによって却下済みである。
「ジュード…っ」
ジュードの顔を挟むかのように両手をつき腰を動かすスピードを若干緩めながら、自分の組み敷くジュードの姿を見つめる。
まだ大人になりきれていない少年の細い身体には自分の執着を指し示すように赤い花がそこらじゅうに咲いていた。
「あ…んっ……あぁっ」
ぎゅっと目を瞑って声を上げ続けるジュードの唇を自分の唇で塞ぐ。
そのまま舌を入れるとジュードの舌に絡み合わせた。
「…んっ…アル…ヴィ……」
何度も何度も、深いキスを繰り返す。
「アルヴィ…も、もう…僕我慢できな…」
そんな小さな声が聞こえてようやく唇を離す。
先程まで瞑られていた琥珀色の瞳がゆらゆら揺れながら、それでもこちらを必死に見つめていた。
「は、青少年はもう…我慢の限界か…っ」
口ではからかうように言いながらも、アルヴィン自身も限界が近いのかどこか余裕の見えない口調である。
「う…あっ、うん…だ、だからお願…アルヴィ、も…もう……っ」
「くっ、わかってる…よ…っ」
そう答え、片手でジュードのそれを握り擦りながら腰の動きを早めた。
それと同時に聞こえるジュードの嬌声はどこか心地よくアルヴィンを更に興奮させる。
「ふぁっ…あっ…あっ…アル……ヴィ…あぁっ」
「っ…ジュードっ」
出そうになる瞬間引き抜いてジュードの腹に向かって射精した。
ジュードもほぼ同時に白濁の液体を自分の胸に散らしている。
「はぁ、はぁ…はぁ…」
どちらともない荒い息遣いが部屋に響き渡った。
「はは、アルヴィンの背中…暖かい…」
暫くして、降ろしていた手を再度アルヴィンの背中に回しながらジュードがそう声を漏らした。
「…お前のほうがあったけーよ」
そう言うと、横たわるジュードの背に手を差し入れてぎゅっと抱きしめる。
「じゃあ、同じだね。
僕もアルヴィンも…同じだけ暖かい。」
薄く笑いながらそんなことを言うジュードに若干目を見開き、続いて少し泣きそうな顔をすると、それをジュードに見られまいとするように更に腕に力をいれてジュードを強く抱きしめた。
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