ある日の夜〜アルヴィンVer.〜




※すごく短いです、すみません。
 ED後のアルジュでアルヴィンの独白みたいなもの。
 ジュードの「ある日の夜」のアルヴィンバージョンです。





ある日の夜。

約3週間ぶりに会えた恋人を、食事をするのもそこそこにベッドへと連れ込んだ。

無言で手を引く俺にジュードは文句一つ言わずに着いてくる。

言葉はなくても、お互いの気持ちさえ同じならば問題ない。

俺はいつものように軽口を言う余裕もないくらいジュードを求めていた。





ふと目が覚めるとまだ辺り一面真っ暗で

行為が終わった後は、確かに抱きしめて眠っていた筈の暖かい温もりがないことを疑問に思って起き上がり振り返ろうとすると

自分の背中にぴったりとくっついて眠るジュードの姿を見つけた。

それは月明かりのみでは表情まではよく見えなかったけれど

それでもすーすーと穏やかに寝息を立てながら眠っている姿を見ると、こちらまで暖かな気持ちになってくる。


「ジュード」


半分起こしたままだった身体をジュードの方に向け直すとそっと抱きしめ直す。

まだ足りない。

何度名前を読んでも、その存在が自分を愛してくれていることが信じられない。

何度、何度抱きしめれば彼を自分のものだと自身を持って言えるようになるのだろう。

まだまだ、全然足りない。


「ジュード」

「…んっ、アルヴィ…ン……」


起こしたら可哀想だと思う反面、起きてくれたらいいのにとも思う。

そうしたらまた……

そこまで考えて俺はその考えを脳裏から消すように軽く首を振った。

これ以上ジュードに負担をかけてはいけない

数時間前にはもう止めてという静止を振り切って彼を抱き続けたのだから。



戦いが終わった後。

最初は逢えただけで、嬉しかったはずだ。

ジュードの傍に居られるだけで、良かった。

こいつを守ってやれる存在になりたい、それがいいと思っていた。


それなのに


それなのに、自分だけを愛して欲しいと願うようになり、

彼の全部が欲しいと、求めるようになってしまった。

願い、求めていた愛してやりたいという想いは

愛されたいという想いに変わってしまった。

ただこの手で、この腕の中でいつまでもジュードを抱きしめていたいと。

そして

それよりも強く、抱きしめ返して欲しいと。



「…ジュード」



今、ここに彼を独占したいと願っている自分がいる。



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