半宵_6

ため息をついて、ちょっと腕あげて、と指示される。言われるとおりにすると、正面からハグされるような形で抱きかかえられる。
「うは、なんすかこれ」
「背中洗ってるんですよーお客さん」
背骨と肩甲骨のあたりを、手が行き来するのを感じる。

「これもAV知識?」
「いや、オリジナル」
「へえ」
「手届かないからもっと足開いて」
後ろに回れば済む話じゃないのか。そう思いながらも、足を開くと、空いたスペースに先輩がぐっと侵入してくる。俺は椅子に座っていて相手は膝立ちだから、動きによってはちょうど俺のアレと先輩のが擦れる形になる。

まぁ偶然かな、となるべく無視するようにしたが、先輩の動きはだんだん怪しくなってくる。背中の手も疎かになっているような。
「あの、先輩……」
「どうした?」
どうしたじゃねーだろ、言いたい気持ちをぐっとこらえて遠まわしに表現する。

「いやあの……当たってませんかねー、はは、」

お互いゆるく熱をもってたちあがりはじめているのを感じる。そんな気は全くないんだけど、状況が状況だし、俺も男なんでいい感じに刺激与えられれば反応もしてしまいます、って。


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