半宵_5

いったん脱衣所へ戻った先輩は下も脱いで、俺と同じように裸になって再び風呂場へ入ってきた。
「じゃあお客さん洗っていきますねー」
「なんですかそのノリ」
「うーん、ソープ?」
へらっと笑った先輩は石鹸を泡立て、自分の胸にのばした。
「何してるんですか」
「こうやってんのAVでみた」
そう言いながら、身体を近づけてくる。薄く筋肉のついた胴体が重なり、ふわふわとくすぐったい感覚のさきに互いの体温を感じる。ほとんど同じ体格のためか、がつがつ肩がぶつかる。首筋に先輩の髪の毛が触れて、くすぐったい。

「洗いにくいな」
「そりゃそうでしょうよ」
「手でした方が早い」

俺と同じくらいか、それより少し大きいくらいかの手で泡をつかみ、身体を撫でまわされる。肩からわき腹を通って腰、へその上から胸まで。どうしていたらいいのかもわからず、先輩の頭頂部をじっと見つめる。そろそろ髪染め直した方がいいんじゃねえのかな、なんて。
「ここ、感じる?」
不意に乳首を親指で撫でられる。
「いや……くすぐったいだけです」
「そっかあ」
残念そうに、しかしくりくりと弄る手は止めない。
「本当、何もないですって」
「演技でもいいから可愛く喘げよ」
「無理です」
「つれねえなぁ、木島」

prevtopnext

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -