level_3

「やっと午前の授業終わりー!陽人、学食行こうぜ」
伸びをしながら言う千秋に、今日はカレーにしようかラーメンにしようか……などと考えていると。

「陽人!」
視界に黒もじゃキノコが飛び込んできた。

「……何か用?」
「学食行くんだろ?早く行こうぜ!ていうか学食ってどこ?」
「いや、俺は千秋と一緒に行くのであって別に鳴瀬とは……」
「何言ってるんだよ、俺たち友達だろ!あと鳴瀬じゃなくて奏な!」
数時間前に初めて会って、名前を言って痛すぎる握手をしただけで友達?助けを求めて千秋を見ると「おおおおお王道転校生と可愛い系の子猫の戯れ……!」と震えている。こいつはもうだめだ。

「なぁおい」
「い、いかんですゾ〜攻め様が黙っては……」
「千秋」
「受けと受けの新境地……あっなんでもない、ごめん何?」
「鳴瀬が一緒に飯したいって言ってるんだけど」
「いいと思う!!すごくいいと思う!」
待ってましたと言わんばかりに頷かれる。その言葉に鳴瀬の顔が明るくなる。実際は眼鏡のせいで鼻から口しか見えないのだが、自己紹介のときに見せたように、歯を出して笑顔を作った。

「さんきゅー!千秋っていい奴だな!」
「その笑顔、プライスレス!」
「お前ら、いいから早く行くぞ」
この時間だと、人気の定食は売り切れだな。やっぱりラーメンにするか、と思いながら教室を後にした。それにしても、千秋と鳴瀬って案外相性がいいのかもしれない。俺はああいうタイプ苦手だけど。


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