三角関係的友情的親愛_19

真昼間の告白の後はなんだかいい感じにデートらしくなってきて、先程まで完全に遊びに行くだけの心持でいた俺は、今更ながら緊張している。
「面白かったね」
「え、あ、うん、テンション上がらざるを得ない感じだった」
なにそれ、と笑う。
「車体装飾ね、ごっついのとか好きだから僕もテンション上がった」
「まじ?意外」
「知らなかった?今日もシルバーアクセつけてきてるんだよ」
奈津がシャツの首元を指すと、なるほど確かに鈍い光を放つ首飾りがある。

「俺も何かつけてみようかなぁ」
「そうだねー、悠くんリングとかは?」
「持ってない、そもそもアクセサリー全般持ってない」
「えーもったいない」
綺麗な手してるのにー、指長いから似合うよ、などと人の手を無遠慮に触りながら言う奈津の手を、ふと思いつきできゅっと握ってみる。
「……あ、わ、なに、」
「なんとなく」
「びっくりするから、もう……」
目を伏せ耳まで赤くした奈津を見て、そうさせたのは自分だということにドキドキする。また同時に、なにか取り返しのつかない方向へ進んでいくような気がした。

「この後どうしよっか」
「……まだ早いし、うち来る?」
しかしこの時の俺は、自分の一挙手一投足にいちいち反応する奈津が面白く、誘いにあっさり頷いてしまったのだ。


prevtopnext

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -