三角関係的友情的親愛_20

「おじゃましまーす。あれ、おばさんは?」
「今日はパートだよ、麦茶でいい?」
「おー、そうなんだ」
「多分8時くらいまで帰ってこないと思う」
「へ、へー……」
普段の自分なら聞き流したであろう。しかし今日はなんとなく時計を見て、残り時間を計算してしまう。

「だから、ね」
「え」

奈津が部屋のドアをしめ、床に座る悠樹のもとへ歩いてくる。無音の空間を、言葉と鼓動と抑えた息遣いが満たす。

「やだなあ、そんな身がまえないでよ悠くん」
けらけらと笑う奈津に、緊張してた身体が緩んだ。
「いや、なんか……うん」
「処女みたいな顔してさぁ」
「おい奈津っ」
「たとえ話だってば」
それにしたってだな……と言いたかったが、数秒前までは何をされるのかわからない恐怖に、何故ホイホイ家まで来てしまったのか後悔していた。今までの、御影と三人でゲームなどをしにきていた部屋とは明らかに違う。俺たちは何かと欲が強い男子学生で、目の前にいるこいつはずっと前から俺のことが好きだったというのだ。


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