三角関係的友情的親愛_17

間に合わないと悟ってからの頭は不思議と冷静だった。血の気が引いたとも言える。

「あ、もしもし?奈津?ほんっと申し訳ないんだけど今起きて、うん、そう、ごめん、ごめんな、とりあえずすっげえ急いで行くから、ごめん、いやほんと。うん、どっか店入るなりなんなりしてて、後でお金出すから、ごめん、それじゃ。…………あーほんとバカ、最悪」
雑にジーンズに足を通し、ぐしゃぐしゃと髪をセッティングする。もちろん朝食など食べている暇はない。まったりとテレビを見る休日の家族を横目に急いで家を出た。

結局待ち合わせ場所についたのは、九時半だった。改札を抜けた悠樹は、柱を背にうつむく奈津を見つけた。
「奈津!ごめん本当に」
「悠くん……」
待ちくたびれちゃったよ、と笑う奈津。場を和ませるつもりなのか、本心なのか。悠樹は罪悪感を募らせることしかできなかった。

「マジもうさ、起きたら九時で。あ、とりあえず向かおうか、なんか飲む?ていうか店入らないでずっと待ってたの?」
「うーん、変に合流に時間かかったら嫌だなって思って」
「そっか、本当ごめんな」
「もういいって、思ってたより早かったし。急いでくれたんでしょう?」
「そりゃまあ、色々犠牲にしたけど……」
おなかすいたな、と思う。
「チケット先にとって、時間までどこか入ろうか」
「それがいいな」
奈津は本当にしっかりしている、遅刻はするわろくにプランも立ててないわで駄目駄目な俺とは正反対だ。
いつも三人でいる時は、だいたい御影が色々やってくれて、俺はそれについていくだけだもんなあ……あれ、なんか本当に駄目なやつだな、俺。

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