三角関係的友情的親愛_12

「悠くん!」
「奈津?どうした?」
何か用か、と訪ねたが、奈津の答えはいまいち要領を得ない。

「あー……後でもいいやつだったらメールしておいてくれれば」
「え、あの!……今週末!予定ある?」
「今週末……は、何もなかったと思うけど」
「だったらさ、水族館行かない?ネットで見たんだけど、プロジェクションマッピングがすごいらしくて。もうすぐ終わっちゃうみたいだからさ」

なかなか言いださないから何かと思ったら、遊びの誘いだったのか。水族館なんて小さい頃に小学生の遠足で行ったきりだが……そういや、御影はクラゲが好きだったよな。せっかくだし、あいつも誘うか。
「いいね、御影も多分週末は予定ないし」
「えっ」

暫し沈黙。

「何?どうした?」
「いや……うん、なんでもないよ。御影くんにも明日確認しよっか」
「おー、奈津から言ったらあいつ喜ぶぞ」
まぁ俺も一緒なんだけどな、と言って笑ってみせると、奈津も口角を上げた。

それにしても、わざわざ別れてから追いかけてこなくても、また顔合わせるんだからその時にでも言えばいいのになー、なんてのんきに思っていた悠樹は、その時、奈津がどんなことを考えていたかなど知る由もなかった。


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