三角関係的友情的親愛_11


「ごめん、HR長引いちゃって」
「僕の方から二人の教室行こうかと思ったよー」
「このあと塾あるやつとかもいるんだから、大概にしてほしいよなぁ」
奈津を挟んで、校門を抜ける。朝、二人で話した時は異様な雰囲気を漂わせていた御影も、三人になるといつも通りのように見える。妙に嬉しくて、無駄にはしゃいでしまう自分を感じる。

「そういえば、悠くんは塾とか通わないの?」
「俺はまぁ、推薦狙ってるし…御影は?」
「短期集中型だし、夏期とかだけ参加すればいいかなって思ってる。」
「うわ出たよ天才」
「御影くん頭いいもんね」
昔からそこそこ要領のいい俺は、だいたいなんでもこなしてきた。勉強もそこそこ、体育もそこそこ、ついでに言えば顔や体型もそこそこ。強いて言えば、平均より少々背が高いくらいか。それに比べ、御影は涼しい顔してなんでもやってのけてしまう。小学校の頃はその足の速さと見た目で、ませた女子にそりゃあモテたものだった。その頃から奈津ばかり可愛がっていた彼は、バレンタインデーにもらった手作りチョコやクッキーを全て俺に横流しし、そのおかげで3月までおやつに困ることがなかったことを覚えている。
だからといって、御影に嫉妬などのマイナスな感情を抱いたことはない。才能に驕るところがないからだ。

「僕の周りも、早い人はもう今から通ってるみたい」
「うわ真面目」
「それで努力し続けられるやつなら苦労ねえよな」
ちなみに奈津も、御影と同じ部類である。今更だが、そのへん似てくるのはやはり兄弟だからなのだろうか。

「じゃあまた明日」
「うん」
「またな」
手を振り、三人がそれぞれの方向へ散る。しばらく歩いたところで、後ろからこちらに走ってくる足音が聞こえた。


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