三角関係的友情的親愛_7


部活に向かう生徒を横目に、校門を三人並んで抜ける。

「奈津、さっきのは?」
笑いながら問う御影。しかし目は不機嫌だ。
「僕もよくわからないんだけど、いきなり話しかけられて…遊びに行くんだけど、なんか大勢の方が楽しいから一緒にどうか、って。クラス変わってからあんまり話したことないし、いい機会だからって」
「マジかよ」
それって明らかに狙われてるじゃねぇか。ターゲットロックオンだ。
「でも正直迷惑だったから、悠くん達が来てくれて助かったよ。」
「あー……すぐ行けなくて悪かったな」
「悠樹が様子見るために覗いていたいって言ってなー俺は止めたんだけどなー」
「おい、嘘つくな」

「しかし、奈津って意外と女子に人気あったんだな。巷で流行の草食系男子ってやつだからか?」
「草食系…なのかなぁ」
「どっちかって言うとおとなしい系だろ?細身だし。俺もよく知らないけどさ」
「奈津は可愛いからな、モテるのも無理はない」
大まじめな顔で言う御影。やっぱりこいつは、たとえ兄弟だったとしても奈津のことが好きなんだと改めて思った。ガキの頃から楽しみや悲しみを共にしてきた御影だ、俺としては出来るかぎり力になってやりたいのだが……問題は、奈津が“そっち系”に耐性があるかってことだよなぁ。思いっきり否定されたら可哀そうだし……よし、ここは俺が御影の前に実験台になってやろう。

「奈津」
「何?悠くん」
「……もし俺がこう言ったらどうする?」
「なんだ悠樹、早く言えよ」

「好きだ、奈津」


しばしの間の後で返ってきた言葉に、場は凍り付いた。

「……僕も、ずっと好きだった」

ああ、これがカップル成立ってやつ?


prevtopnext

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -