三角関係的友情的親愛_6

「二人とも待ったでしょ、ごめんね」
足早に奈津がこちらへ向かってくる。
「いや、大丈夫」
「そうそう。ちょうど今、たった今来たところだ」
……御影、そんな嘘は通用しないぞ。
「ね、早く帰ろうよ。僕見たいテレビがあるんだ」
「そうだな、悠樹は置いてさっさと行こう」
「おい待て御影。あと…彼女は知り合いか?」
「げっ」
何か言いたげな女子を振り返り、露骨に嫌そうな顔をする奈津。温厚な奈津がこんな顔するなんて…よほど苦手なタイプだったんだな。

「萩原くん、先約ってその人たちなの?」
「う、うん、そう」
「へぇー……」
女子の品定めするような目が俺と御影を交互に見る。あ、ちょっと嫌な感じかも。
「ていうかね、君は奈津の何なのかな?友達?彼女?ちなみに俺たちは幼なじみですっごい仲いい友達だからね。で、何か?」
「御影くん」
「奈津、ほっとけ。しばらくしたら落ち着くだろ」
今の御影は大分まずい状態だ。奈津との(ラブラブな)帰り道を邪魔された上に無遠慮に眺め回されてはいい気がしないだろう。俺はまぁ、そんなに気にしないけど。
しかし俺はこういう状態の御影がとても苦手だ。ここまできたらしばらく直りそうにないな。


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