三角関係的友情的親愛_5

「萩原くん、今度の週末あいてる?」
「……え?」

放課後、いつものように奈津の教室まで迎えにいくと、珍しく女子に声をかけられていた。そもそも共学なので何もおかしいところはないのだが、奈津は小さい頃から、女子と話すのは苦手だからと自分から異性を避けていたのだ。
「奈津に近寄るなぁあ……」
「落ち着け」
俺に本心を吐露したことで色々吹っ切れたのだろう、あからさまに黒いオーラを発する御影。
「……くそ、何話してるか聞こえない」
「そりゃあ教室の外だからな。もう中はいろうぜ」
教室の中には奈津と、数人の女子と数人の男子。そしてそれをドアのガラス越しにこっそり見守る俺と御影(しかも上級生)……傍から見て、怪しいことこの上ない。

しびれを切らし、ドアを開けようとした瞬間、手が上から押さえられる。
「もう少し様子見てようぜ」
お前は探偵気取りか。
「いいけどなぁ……奈津、こっち見てるし、もう気付かれてるけど?」
「うわっ、本当だ!やばい悠樹やばいどうしよう」
「そこまで焦らなくても…俺らは迎えに来ただけなんだから別に悪くないだろ」
覗きしたことは否定しないが。

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