三角関係的友情的親愛_2

昔から、御影が奈津に捧げる、男同士ではちょっとあり得ないくらいの愛情(と呼べるほど純粋なものかも分からない)には疑問を持たないでもなかったが、あえてそれには触れないできた。
「そういえば今日の髪すごい良い感じじゃん」
「ありがと。うまく寝癖がなおらなかったんだよねー」
「寝癖までも最高とはさすが奈津……」
「御影、毛根に感極まるな」
何せ、俺はお偉いさんも脱帽してしまうほどの事勿れ主義。面倒なものが一番嫌いなのである。下手に首突っ込んでかき回すより、多少変な空気になってもこのままの方がずっといい。

「あー、そういえば証書っていつまでに提出だっけ?」
書類作成に必要だからと、担任に言われていたんだった。
「期限は確か…一週間先だったな」
御影が答えると、あと一年かぁ、と奈津が言った
「大学生になっても、ずっと一緒にいたいな」
「そうだな」
「俺はお前らと離れられる気がしないよ」
離れたくもないが。なんだかんだ言っても、気心の知れた仲というのは居心地のいいものだ。

「二人とも留年してくれない?」
「それはいくら奈津の頼みでも……」
「マジにすんな、冗談に決まってんだろ馬鹿」
このまま、ゆるい関係が続いていくと思っていた。


しかし数日後、登校してきた俺が見たのは、様子のおかしい御影だった。


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