三角関係的友情的親愛_3

「今日いつもの場所にいなかっただろ?奈津と二人で来たんだけど、」
「……」
「いつも三人か、お前と二人だからなんか新鮮に感じたわ、奈津も妙にそわそわしてたし」
「……」
「そういえば一時間目の小テスト勉強やった?俺マジ全然だから、朝イチで出そうなとこ御影に聞こうと思ったのにさー」
「……」

「おい、どうしたんだよ」
声をかけると、御影はああとかおはようとかもごもご呟いて、はぁっと大きくため息をついた。目線はななめ45°下に向けたまま、上がる気配はない。
これはおかしい。
「お前……賞味期限切れのものでも食べたのか」
「……消費期限が切れていない限りは、腐っているとかいうことはない…」
人の足元をすくうような返し方はいつもの御影だが…って、今したいのは賞味期限の話ではなくて。

「何があった?」
顔をのぞき込むと、一晩中考えごとでもしていたのか、なんとも死にそうな顔をしていた。ひどいクマに、充血している目。これは小テストどころじゃなさそうだ。

「……なぁ、悠樹」
「おう」
「これは俺の友人の話なんだが…仮にAとしよう。」

長ったらしい話が続いたので分かりやすいようにまとめると、御影の友人、AはBという奴のことが幼少期から好きだった。いつか想いを伝えようと思っていたのだが、なんと、AとBは腹違いの兄弟だったらしい。昼ドラみたいな話だな。
「俺……じゃなくて、友人はどうしたらいいのかわからないみたいでさ。」
「一応聞いておくが、AとBの性別と年は?」
「……男、一歳差」
なるほど、これで合点がいく。
「御影と奈津が兄弟だったなんて知らなかった」
「おま…俺が話しているのは友人のことで…!」

こういう時の“友人”ってのは大抵、自分のことなんだよ。
それにしても、普通そういった関係はもっと遠く離れたところで起きるものじゃないのか?腹違い…ってことは父親が同じなわけだから、うわ、俺これから御影の父さんまともに見られないかも。奈津の家は昔から母親だけだったけれど、まさかこんな事情があったとは想像もしていなかった。


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