meetmee_2


「木島は2月シフトどうすんの?」
「どうって、別にいつも通りですけど」
「ふーん……ふぅぅ〜ん」
「何なんですかその感じは」
「土日も〜?」
「当たり前じゃないですか人少ないんだし、休みは時給上がるし」

先輩はちょっと口をとがらせ、ふーんふーんと小さく連呼する。
何か不満があるのか?

「ところでこの間うちに歯ブラシ置いていっただろ」
そう、先月のクリスマスの勤務後、終電をなくした俺は温もりと雨風しのげる場所の誘惑に負け、先輩の家に泊めてもらったのだった。

しかもあれだけ怪しげな雰囲気をだし、告白まがいのことまで言われていたというのに先輩はやたらと紳士的で、最寄りのコンビニでタクシーを降りたと思ったら「うちにあるものは貸すけど、何か必要なものあったら買ってやるから」と言ったのだ。着替えはわざわざ買うのももったいなかったので、トラベル用の歯ブラシとスナック菓子だけ購入し、酒のつまみにしながらひとしきりゲーム等をしたあと、意外にもきちんと用意されていた客用の布団で寝かせてもらった。起きたら始発はとっくに動き出していて、ゆったりと朝の支度をし家を後にした。最初の方こそ警戒していた俺だが、あまりにも普通のお泊りだったのでその後も特に何も考えず、今までどおりに先輩に接していたのだった。

「あー、そういえば。持ち帰り忘れてました」
「捨てる?持ってくる?」
うーん、自分の家では使わないし、旅行もあまり行かないけど捨てるのはもったいないよな。

「置いといてくださいよ、またお邪魔するかもしれないし」
「こっそり舐めよっかな」
「マジでやめてください」



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