一方通行

今日、ぼくの家に来る予定だった名無子は、突然アララギ博士主催の飲み会へと拉致されてしまった。アララギ博士の強引さは知っていたので、残念ではあるが諦め、博士から借りた本を読んで1日を過ごすことにした の だが

ピンポーン

誰も訪ねないと思っていた家に、インターホンが鳴りひびいた

「はい…って、名無子?」
『へへ、えへー…ハーイ!チェれん!』
「それ、アララギ博士の真似…?」

ドアを開けてみれば顔を真っ赤にした名無子が立っている
なんだか足元がふらふらしているような…

「ねぇ…名無子『酔ってない!』
まだ何も言ってないよぼくは。

「…うん、まぁいいか。おいで」『ういおー』
部屋へ向かう途中、名無子は何度か転びそうになり、その度に僕が受け止めて、なんとか僕の部屋までたどり着くことができた(やっぱり酔っぱらってるじゃないか…)
部屋につけば名無子はペタリと座り込んで、じっと僕を見つめる

「…どうしたの?」
『へへっ…なんだろー♪』
へらりと笑って、僕に抱きつき『こしたらなんか〜、思い出せそうな気がする〜』なんて言いながら、すり寄る

ごく、と喉が鳴った

「ちょっと…名無子、駄目だって」
主に僕の理性が。

『あー、そいえばぁ、チェレンのパパとママねぇ〜飲み会にいたよー』
「そうだね。それで名無子が今日、僕の家でご飯作る約束してたんだけど」
そだっけー?なんて言いながら上目遣いで僕を見る。彼女自身は意識していないんだろう。顔を見れば潤んだ瞳、ほんのりと赤い頬と、紅い唇。
「……うん、だからさ…お仕置きしないとね」
僕の理性を吹き飛ばすには充分すぎた。
『あっ、ふえ、チェレン?』
名無子を抱き上げベッドへ下ろす。惚けている彼女の唇に自分のものを重ねた
「名無子…」
『んっ、ちゅ…は、ぁ』
舌をねじ込み、段々と深いキスへ変えていきながら、空いている手で衣服を脱がす。
『やっ…んぅ、やだ…チェレ「嫌じゃ…はぁ、…ないでしょ」あっ』

あらわになった胸を優しく揉んだり、先を捏ねたり押したりして、反応を楽しむ
『ふあ、っひ、や、ぁん…へ、へんなこえ…っ、き、かないでぇ…!』
「変じゃないよ、可愛い、名無子」

舌を使って先端を弄びながら、太股にふれると、名無子はびくりと揺れた

『…チェレっ…は、ぁっ…あ、あのね』
「うん」
『わっ私、こういうの初めてで…あっ』
「知ってるよ、大事にする」
『え、それって…あ…っ…、やだ、チェレンっ』
名無子が何かを言おうとしていたけど、僕は聞こえないフリをして彼女の足を開いた
「いつ見ても綺麗…」
『………?』

名無子はその言葉に違和感を感じ、一瞬眉を寄せるが僕の愛撫によって恍惚の表情へ変わっていった
調教しすぎるのも困り者だな…なんて僕は思うが、きっと楽しそうな顔をしているだろう

「こんなに濡れてるよ、名無子。そんなに気持ちよかった?」
『あ、あぁぁっ…わ、わか…っないぃ……』
くちゅくちゅと音が出るくらい激しくすれば、名無子のナカはきつく締め上げた

「…いきそう?名無子」
『やめぇ、あぁあ…ひぐ、いっちゃ…ぁ…』

「いきな?」
彼女の苦悶に満ちた顔を眺めて、僕は微笑み深いキスをする

『んっ、くぅ、ふ……いく…ひ、あぁぁあーっ』
すると体をピンと伸ばし、か細い声を上げながら彼女は達した。


『は…はぁ…はぁ…』

「おつかれ、可愛かったよ」
部屋に持ってきていた薬と水を渡せば、名無子は何も知らずにそれを飲んだ

まぁ、ただの…

『ん…私この薬…知って……?』
彼女の瞳はとろんとしてたが、何かに気づいて寝ないように必死に目を開けようとしている

「疲れたでしょ、ゆっくり休みなよ」

『チェレン…ねぇ、私知ってる…この薬…飲みたくなかったんだ……記憶を消す薬なんでしょう…?』
迫り来る睡魔に負けたようで、ついに眠り始めた



<記憶を消す薬なんでしょう?>



「何言ってんだか…」
それはただの酔い止めだよ

次に起きた時、彼女は何もかも忘れているだろう。酔った時の記憶が無くなるタイプだからだ
それでいい
今はまだ、それでいい

こんなにも近くで名無子の気持ちを知りながら、僕は知らないフリをしている。

「思ったより言えないもんだな」

名無子の気持ちを知れば知るほど、僕は気持ちを伝えられなくなっていく。

「今伝えたら、寂しい思いさせちゃうよね。」
近いうちに僕は旅にでる。だから…世界を知り、一回り大きくなって戻って来た時に、彼女に伝えよう

「愛してるよ、名無子」





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クソ長いすみません
多分旅立つ前の話

四ノ宮ナナ

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