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「実はさ、もう死んでるんだよね」
「ふーん」
「エイプリルフールです」
「まずエイプリルフールってところから嘘だろ」
夏だよ、と付け足した銀さん。そうだね、夏だね。言ってみただけだし。
ポトフ作った日から、家の中でだらだらと過ごしてもう何日経ったかいまいち覚えてない。でも多分、そろそろ7月になった。
「あつい…なんでこんな暑いんだ?松岡修造仕事してんじゃねえよ…」
江戸時代なのに松岡修造居るのかよ。深く考えたら負けだな、分かる。
「今日って何日ですか?」
「知らねー」
「あっそ」
あ、そういえば携帯あるんだった。ホームボタンを押す。充電がない。そりゃそうだ。
「あ」
「はい?」
「7月1日だ」
「へー、なんで突然」
「6月31日だった。昨日」
「いや6月に31日ないし」
「…そうだっけ」
よく分かんないけど、でも多分もう7月なんだろう。7月かー。夏だね。夏休みじゃん。夏って、毎年なんとなく何かやり残したような気持ちになる。宿題はギリギリにやる。
次の、4月1日が来たら、私はもう女子高生じゃないんだよなあ。 この世界ではあんまり意味ないけど、でもなんか、女子高生って意味もなく最強な気がする。制服を着てると、誰にだって勝てるような気持ちになる。自分がとてつもなく価値のあるもののような錯覚に陥る。女子高生尊い。
「坂田さん」
「あ?」
「女子高生、好き?」
「なんだそれ」
松岡修造は居るのに女子高生はいないの?うーん、意味わかんない。
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