×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -


02

トリップ、なんて、そんな。馬鹿じゃないの?夢小説かよ。
後ろを振り返ると、セブンイレブンは確かにそこにあったままだった。夢でも、夢小説でもなんでもいい。
扉の前から移動して、財布の中身を確認する。もしここが本当に銀魂なら、普通に日本円が使えるはず。母親から5千円をもらったばかりだったので、6千円持っていた。この中から2千円は模試代で、もう2千円はオープンキャンパスに行く交通費。あと、友達とスタバの新作を飲みに行く約束をしていたのだが、ここにスタバはあるのか?チーズケーキのフラペチーノ、飲みたかったのに。あ、たい焼き屋さんのポイントカード、昨日のうちに使っておいてよかった。
そんなことじゃなくて。幸い、夕飯はもう食べてしまったので今日の食事代は気にしなくていい。問題は今日の宿だ。ホテルに泊まってもいいのだが、この先何があるかわからないとすると安易に金を使うのは得策ではない。このよくわからない状況で、即座に金勘定をする自分を、さすが私だなと主観的に褒めた。
季節は6月。外で寝るには微妙な時期だ。まあ、関東平野南部で凍死することもあまりないだろう。それに、凍死するならするで構わない。むしろ願ったり叶ったりだね。


prev next
back