×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


22


お登勢さんに酒をたかる銀さんを置いて、一人で二階に戻った。ギョウザを食べた後なので、歯を磨こうと思う。

「あ」

歯ブラシ、なかった。馬鹿だ。さっきスーパー行った時買ってくればよかった。洗面所のそれっぽい戸棚を勝手に漁って、予備の歯ブラシを探してみる。あった。意外。
本当はブレスケアが欲しいけど、贅沢を言ってもしょうがないのでとりあえず歯を磨く。歯ブラシの予備は、今度買って返そうと思う。

「おう」

銀さんがいつの間にか帰ってきていた。お酒に弱いはずなのに、それほど酔っているように見えない。お登勢さんに追い出されたのかもしれなかった。

「借りました」
「何を」
「歯ブラシ。予備の」
「あったっけ、そんなん」
「見つけました」
「ふーん」

鼻をほじりながらの返事。興味なさそう。返さなくても忘れてそうだ。いや返すけどさ。

「お風呂も借りてもいいですか」
「入りたいんなら、ドーゾ」
「大丈夫です、狼さんには気をつけますから」
「言っとけ、アホ」

そう吐き捨てると、そのまま家の外に出て行ってしまった。調子乗ったな。怒らせたかな、と思ったけど、居酒屋とかに飲み直しに行くだけだろうと思い直した。


prev next
back