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19

銀さんが器用に卵焼きを作っていくところを隣でじっと観察する。料理できて、あの冷蔵庫の中身って、いったいどんな食生活送ってたんだこの人。まあ、一人くらいならお登勢さんが作ってくれるか。あ、そういえばお登勢さんに会ってない。大家なんだから、挨拶くらいすべきか。
「おおー」
黄金、と呼べるような卵焼きが完成して、思わず歓声が漏れる。
あれだ、居酒屋のバイトしてた時に運んだ卵焼きとおんなじ見た目をしている。いいなー、だし巻き卵作れるようになりたい。家の卵焼きはいつも砂糖たっぷりの甘めだったからなあ。
「他のおかずは?」
「お前が作ってくれるんじゃないの」
「材料買う前に帰ってきちゃったじゃん」
「あー、そういえば」
意外と阿保なのかもしれない。人のこと言えないけど。
「じゃあ下にタカリにいこう」
「スナック?」
「そう、困った時のババア」
なんと。早速邂逅のチャンスが。



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