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「#エロ」のBL小説を読む
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13

連れてこられたのは万事屋。わあ、まるでよくある夢小説みたいじゃないか。笑える。
「ほら、タオル」
「どうも」
上がりこんでしまった。すごい。これはちょっと感動する。ディズニーに初めて行ったときみたいだ。一回しか行ったことないけど。中学の卒業遠足。作り込まれた夢の世界。
「で?」
「でって言われても」
「どうすんの」
「どうすんのって、死にますけど」
「ふーん」
「あの、万事屋さん」
「なんだよ」
「私、別に化けて出たりしないので。死んでいいですか?」
「知らねーよ、近所で死ぬなよ」
「善処します」
なんなんだ。ていうか、神楽ちゃんは?
「一人で住んでるんですか?」
「まあ。泊まってけば?」
「ええー…」
いないのか。と、すると、もしかして出会う前なのか?よく見てみると、そう言えばテレビも糖分の掛け軸もない。だから主人公スタイルもまだしてないのか。納得。
「気が変わりました。泊めてください」
「別にいいけど…いいのかよ」
「なにが」
「分かれ」
「いいですよ別になんでも。夢は叶えたんで」
「夢って?」
「処女を高値で売ること」
「…ふーん」
欲を言うと、押し入れで寝てみたいのだがいいかな。万事屋の三人組っていう、壊しちゃいけないものが作られる前なら何してもいいような気がしてしまう。気分はテーマパークだもの。
「なあ、」
「はい」
「いくらで売れたの」
「ろくまんえん」
「へー…、それって、高いの?」
「さあ。少なくともスティックパンで2ヶ月生きられます」
「あ、そう」


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