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それにしても、壁外調査の真っ最中か。とりあえず引き続き壁の外側に向かって歩こうか。
うーん、壁外に迎えに行くのもいいが、それだと遭遇率が著しく下がりそうだ。それだったらやはり帰ってくるまで待っているべきか。いやでも、どこで待っていればいいんだ?確か壁には出口が何ヶ所かあったはずだ。どこの出口から帰ってくるんだろう。さっきの少年に聞いておけばよかった。後悔。
あ。待って、確か、主人公の住んでたところに調査兵団は帰ってくるんじゃなかったっけ?
し、し、し…シガンシナ区。
なんで覚えてたんだろう。語感がいいからかな。
とりあえずシガンシナ区を目指そうか。どっか地図とかないのかな。現在地は…まあ地名がわかってもわかんないんだけど…私の記憶が正しければ、この世界の文字は逆から読めばただのカタカナのはず。逆立ちするのはさすがに悪目立ちするので、頭をひねって看板の文字を読む(それでもやはり少し目立ってた気もする)。

「トロスト…サカバ…?」

トロストサカバ。トロスト酒場?

トロスト区、かな。聞いたことあるようなないような。うーん。漫画を流し読みとネットだけの知識なのであまり覚えてない。
シガンシナ区にどうやって行ったらいいのか、もう一回道行く人に聞いてみようか。道案内を頼むくらいなら一般人Aとしてナチュラルに聞けるだろう。さて、誰にしようかな。

うーん、と悩んでいた時。そこまでそこになかったはずの大きすぎる気配を壁の外に感じた。

「え…?」

壁に手がかかり、筋肉繊維がむき出しになった指が、顔が、壁から覗く。あの巨体、今、一体どこから出てきた…?

「大きすぎるだろう、あれは…」

どうやら私の記憶違いで、調査兵団より前にあの木偶の坊共がこの町には来ているらしかった。チビと比べるまでもなく、そいつはとてつもなく大きかった。

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