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自らの鼻を頼りに地下から地上へと上がった。人々の服装を見るに、ウォールマリアだかアリアだか忘れたが、壁の内側の方であるらしかった。こんなところに調査兵団がいるわけもないな。さて、どうしようか。歩きながらぼんやりと、今、しなくちゃいけないことを考える。
まず、一つめ。リヴァイを見つける。
二つめ。リヴァイを守る。死なせない。殺させない。
三つめ。私が生きること。
私が死ぬ時、私の中のリヴァイも死ぬのだ。一度死なせた人間を、二度も殺させてたまるか。
それを踏まえて考えると、危ない橋は渡れない。それから、万が一、私が化け物だとバレたときに、リヴァイが知り合いだと思われるとあいつの立場が不利になるかもしれない。そう考えると、知り合いだと大っぴらにバレるのも良くない。
そう考えると、そう考えると……そう考えると?いや、どんな行動を起こせばいいんだ私は?条件が多すぎる。
あー、えーと、とりあえず居場所がわからないとどうしようもないよなあ。くそー、考えるのがめんどくさくなってきた。遭遇できればなんとかなるかな。臨機応変に猪突猛進でいいかしら。四字熟語使って頭良さげに言ったはみたけど。所詮私肉体派。頭脳戦はお手上げである。

***

肉体派は肉体派らしく、とりあえず壁の外を目指すことにした。壁の外を目指すには、壁に向かって歩けばいいのだから簡単だ。そびえ立つ壁に、ここが閉鎖された空間であることを思い知る。よくこんなところにいて頭がおかしくならないな。外に出たこともない人間が、なぜ外に出ることを怯えるのだろうか。幼い頃からの刷り込みってやつかな。
肉体派の割にはいろいろ考えていたが、私にとってこの世界の謎なんてどうでもいいことであると思い出す。壁の中の全人類が滅びたって別にどうでもいいじゃないか。いや待て、それだと私のご飯がないわ。やっぱダメ。それなりに生き残ってくれ人間。
それに、人間がいなくなってしまったら、私が一人だけ死なせるつもりのない奴が寂しがるかもしれないし。やはり、人類には滅亡しない程度に頑張っていただきたい。


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