おいでませ



「……あぁ、キッツイ、キッツイよ家光さんや」
「よく頑張ってる、よく頑張ってる」

イタリア語もだいぶ上手くなったしな。と、家光が笑う。
修行合間の休憩の紅茶。
今日はどうやらアールグレイ。ミルクとの相性抜群。
……まぁ、その、休憩と称して、家光の息子……沢田綱吉君の我が子自慢を聞いてるんだけども。
あ、別に私は門外顧問家光の下についてるとかそんなんじゃなくて。チェデフでもなんでもないけど、家光がたまーにこうして修行をチラ見しにくる。
……本当に、トリップしてきたんだなぁ…。
来てから随分経った気がする。けど、そりゃ、修行だのなんだの、元いた世界じゃしないけど、全然違わない気がしてしょうがない。

「それじゃ。まだまだ励めよ〜」
「はーい、たまにはツナの自慢話のレパートリー増やしてね」

そうして家光が帰ると、その数分後くらいに別の人が部屋にくる。

「茶紗ちゃん、調子はどうだい?」
「…!ノーノ!おかげさまで!」
「そうかい。よかったよ…早速なんだけど茶紗ちゃん。君に…頼みがあるんだ」
「ええ、もちろんなんだって。その頼みー……とは」
「君に、ジャッポーネに飛んで欲しい」

そろそろ、いい頃合いだろう。
真っ直ぐ9代目はこちらを見つめた。

+×+×

約24時間後。
私は既にジャッポーネ……日本に居た。
と言っても、専用ジェット機とかに慌てて乗ったとか、そんなんじゃあ、ない。
まぁ、こういったトリップの類に付き物のような…特殊能力?そんなものは正直、本当に夢物語だとか思っていたけれど、よくよく考えたらこうして起こっていること自体夢物語なわけで。

…そんなこんなで、私には1日1回限定空間移動能力なるものがある。

2回やったらどうなるのか?それは全くわからない。やったことがないから。


「ふぃー、さて、久しぶりにおいでませ日本ーっ!ってか!」


かといって大荷物が持ってこれるわけじゃなので、大荷物は後で誰かに指定された住居へ運んで貰う。

というわけで、いきなりこのまま学校に行くわけですが。
………なにこのドタバタ展開…。


おいでませ
(……いや、普通に眠い)
(これの欠点、かなり疲れること)





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