充分すぎるほど慣らされ蕩けたそこに、待ち続けたマシューの性器が追い討ちをかけるようにピストンを始める。
早瀬は足を揺らしながらも強すぎる快感に喘ぐしかなかった。

ずんっ…ずんっ…

「んっ、…ぁ、あっ」

緩やかなリズムで、突き上げられ髪を揺らしながら身体を強張らせる。早瀬は初めてで違和感が拭えないのはマシューも分かっている。痛みがないように、気持ちいいように、奥のしこりを狙って前後させる。

「ぁ、あっあんっ…ましゅ、んっぁ、あっひッ」

前立腺を狙い澄ました動きで少しずつじわじわと腹の奥から快感が広がっていることに早瀬は戸惑う。本当に感じるんだ、と新しいものを発見したような気持ちだった。声が出てしまうのも恥ずかしく、手で覆った口元をすぐさまマシューに外される。

「苦しくない?…君を傷つけたくないんだ」
「ん、…少し、まだ」
「ゆっくりするから、遠慮なく声を出してくれていい、その方が楽だろう」
「だって、っ…はずかし、んっあっ!」

ずん、とまた少し奥に入ってきた大きなマシューの性器にあられもない声を出す早瀬。高い声が響くとマシューはうっとりしたし、もっと、と思ってしまう。

ずんっ…ずんっずんっ…ズンズンッズンッ
ずちゅっずちゅっじゅぶっ

「んっあっ、は、ぁあッ!こえでちゃ、ぁ、あッ!そこ、だめ、で、ッああっ!」
「ダメじゃないだろう?」

少しずつ早くなっていく動きに快感が増し、翻弄される。だめ、と言ってもマシューはやめる気はなくむしろ、もっと、と聞こえていた。
広いテーブルの上で、下に履いていたものは靴下をのぞいて脱がされ、上半身はシャツを引っ掛けたような状態だった。
身体はやや赤くなり、その中にぽつんとある乳首に目を引かれマシューは前屈みになる。

「ぁ、ああッ!ましゅ、んあっあっあッ!」

それだけでまた少し奥深くに入ってくる性器にびくんびくんと腰を震えさせる。
マシューはそのまま早瀬の乳首に吸い付くと、軽く歯を立てる。

「ぁ、あっ…なに…?」
「あんまりにも、美味しそうでね」
「…ふぁ、あっ…舐めないで、くださ、ぁ…そこ、ちがう、」

まるで子供のように吸い付く、上司の姿に早瀬は戸惑う。そこは気持ちよくも何ともなく、どこかむず痒さがあった。逃げようと身を捩ってもマシューが追いかけてくる。それどころか少し動くと、ナカが揺れて変に締め付けてしまう。

「ん、っ…んっあ…?」

舐めたり、つついたり、舌先で潰したり。片方だけを執拗に責められて、何も感じないはずなのにどんどん息が荒くなっていく。マシューの姿に興奮したのと、時折動く性器に頭が勝手にそこと快感を結びつけていく。

ぺろっ…べろっ、ちゅぷっ…くちゅっ…

「ぁっ、あっ!…なんか、…ん、んぅ…!」

おかしい。
舌のざらつきが乳頭をなぞる感触まではっきり分かる。ピリピリと小さな電流が流れているような、おかしな心地になっていた。

そこから、マシューの指が這い上がってきてもう片方の乳首に触れる。

「あっ…!」

くにっ、と弄られ感じたこともないそこに何か熱を帯びていくのが分かる。
同時に鎮まっていた律動がいきなり再開し、早瀬は目を見開く。そして見開いた視界で、見上げた天井は見慣れたオフィスの天井と同じもの。マシューの執務室とはいえ、ここが会社だと思い知らされ全身の熱が一気に上がる。

「あ、っんんっ…!ましゅー、ここっ…あぁあッ!はあっんッ!」

乳首を舐められ、片方は指で捏ね回され、ナカをずんずんと突かれ怒涛の責めに思考が停止する。マシューも拙く、嬌声の合間に呼ばれた興奮に大きく息を吐く。
ーー可愛くて、仕方がない。
出来る部下で、素直で、真面目で、そんな青年を組み敷いて幼い子供のように高く声を上げる早瀬は、マシューにとって麻薬のようなものだった。手を出してはいけないと分かっていながらその身に溺れたら最後、抜け出せなくなる依存性があった。
ーーもう遅いけど。

早瀬は乳首もアナルも同時に責められることで、アナルの快感が乳首の方と勝手に結ばれ、じわじわと上半身の熱も上がっていく。マシューの体重もかけられ、身体はまともに動かせずもどかしい熱がどんどんと沈殿していくのが分かる。何かの拍子に弾けてしまいそうなのも。

「ぁ、あっ!なんかっ、むね、おかしい、…あッ!んあっ、!」
「ん…ここもそのうち気持ちよくなれるな…」

確かめるように最後に軽く歯で噛まれ、小さな痛みと予想していなかった快感に早瀬の身体が浮きあがり、背がのけ反る。前も擦られ、気持ちいいところが一気に増える。

「あっ、やあっ…ッ!ん、ああ…っ」

身体を起こしたマシューが早瀬の腰を掴むと、それを引き寄せる。ずん、と重い衝撃が内部を襲う。
ゴムをつけたマシューのもので酷い圧迫感に苛まれる。それもこれまでの動きで慣れてきて、今度はマシューのリズムで打ち付けられる。
もう早瀬の声には完璧に甘さが滲み出ていて、びくびくと波打つ腹を見つめたマシューはパンパンパン、と肌がぶつかる音が聞こえるほど激しく力強く打ち付ける。

パンッパンパンパンっ
じゅぷっじゅぶっぐちっぐちゅぅーーッ…

「はげし、ぃ…あっう、んッあっあっ!ああッ!奥きてるッからぁ!」
「はあっ…すごい気持ちいいよ、サイコーだよリョウ」
「んんぅっ…あっ、ん」

きゅう、と甘く締め付ける早瀬にマシューは汗を拭いながらにこりと微笑む。

「もしかして名前で呼ぶと締め付けてるのかな?…リョウ」
「んっ、ひぅっ…まっ、あんっ!んっ!」
「ほらまた…リョウ、可愛いね…すごく可愛い」
「言う、なぁっ!はぁ、んッ!」

可愛いなんて、男なんだから嬉しくないはずだと思った。だがマシューは本気で、口説くように甘く囁くのだ。そんな訳ないとかぶりを振る早瀬を愛おしげに見つめながら。
早瀬は本当に自分が可愛いのかもしれない、と馬鹿らしいことを思ってしまう。

腰がぴたりとくっつき、マシューが奥の前立腺にぐにぐにと押し当てながら腰を揺らせば早瀬の肉壁を満遍なく擦られ、ぴりぴりと走る快感に背筋を震わせた。
ーー熱い…。
マシューが本気で興奮しているのが、ナカに埋められたものからも、眼差しからも、呼吸からも感じられる。こんなの早瀬には初めてだった。初めてだから、何もかも、訳がわからない。

「…ふぁっ、んんぅ…ッ」
「気持ちいい?リョウ」
「んっあ゛っ!そこ、だめェ…は、ああッ!」

小刻みに揺れる振動が、前立腺を揺らし跳ねた足が縋るようにマシューの腰に巻きつく。上擦った声をあげながら、身体がどんどん火照っていくのが分かる。

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