「ひんっ…うう、嫌だああっ」

俺は泣きそうだった。いや、泣いている。成人男性が足を割られ後ろから腕を膝裏に回され、しっかりと抱えられ身動きが出来ないまま何もかも晒している。赤ちゃんのオムツ替えの時以来だ。そんな事実に。
それだけでなく、何度でも言う、俺は玩具がいいのだ。生身の人間に前も後ろも譲る気は毛頭なかった。
なのに目の前の細っこい男は興奮して妙に鼻息が荒い、まるで獣みたいでぞっとする。見た目に反して何というか雄っぽいのが俺の気にかかる点。今にも飛びついて来そうで盛りのついたガキのようだ。最初の人懐こい印象は早々にどっかにいった。
おいそこの後ろのデカイの、こいつはお前の恋人だろ。お前はそれでいいのか。お隣さんのしかも男に興奮するようなやつだぞ。

「泣き顔…かわいいなあ」

細っこい男の方が、俺のちんこに勝手に手を伸ばしてくちゅくちゅと音を立てて上下させる。男だからそれを触られれば気持ちいいのは当然だが、自分でやるより遠慮がなく力が強い。もろな刺激に腰が震える。

「はっ、ぁ、んんっ」
「丁度いいサイズだね御坂さん」

こいつ、馬鹿にしてんのか。ふざけんな、とキレそうになったのに開いた口からは普段より高い声が飛び出る。

「んあっ、や、だッ…ぁ、あッ……!やめろ…ッ!」
「あーすっごい我慢汁たくさん出てるよ。おちんちん敏感なんだ、御坂さん」
「うっせぇ…ん、ぁ、あッん!」

先っぽの小さな穴を指で執拗に抉られ、びくびくびくっと痙攣する。足先がはねて宙を蹴るが、がっちり抑え込まれているせいでたいした抵抗にもならない。くそ…!
だらだら垂れる我慢汁を裏筋や玉の方にも手で塗り広げ、そのまま俺の穴の方まで垂れてくるのが分かる。

「使い込んでるねえやっぱり。めっちゃエロい…くぷくぷしてるよ」
「うるさいっ…っ」
「ほら…ほーら、指入っちゃうよ」
「あッ…ん、ふ、…ッあっ、あ、やめろよぉ…そこ、触んなぁっ…っあ!」

ぬぷっぬぷっ…ぬぷっ

ちょっとずつ入ったり出たりして、ナカを探るように慣らしながらも、慣れた手つきでそのまま一気に一本指を押し込んでくる。ディルドとは違う、人の肌と温度を感じ俺はやめろ、と頭を激しく振る。

「ぁ、あッ…ゆびぃ……抜けよぉッ…んっ!」

目の前の光景がおぞましくて、手で顔を覆う。最悪なのが散々オナった俺の穴は、その指でも充分すぎるほど感じてしまうことだった。そして、男の恋人がいるだけあり、こいつがその弱点を見つけるのがあまりにも早かった。

じゅぶじゅぶじゅぶっ…
ぐりっぐりぐりっ

「ひっ、ぁ、あ゛ッ!」
「すごい大きくて虐め甲斐があるん、だけど…!」
ぶちゅっぶちゅっぐりっぐりぐりっ
「や、ぁああ゛ッそこっ、やめっ、ーーーッ!らめ、だってぇ…ッ!」

前立腺を押し上げる指がぶるぶると小刻みに震え、堪えきれない声が漏れ出る。日頃弄る性感帯を遠慮なく責められ、唇を噛みしめる。
嫌でも指を締め付け、ナカを出入りする指を嫌でも感じてしまう。本当は嫌なのに、気持ち良くなりたくないのに。
そんな俺を嘲笑うみたいに指がもう一本増え、今度はゆっくり前立腺を二本の指でこねくり回し始めた。背筋がぶるぶる震える。

「んぁあああァッ!……それぇ、やめろっ…ひ、ぁッ!あっ、ぁあ……ッ」
「気持ち良くないですか?ここ、彼はここをこねくり回すとすぐあんあん鳴いちゃうんですけど…」

そんな恋人事情は知らない!
彼と呼ばれた俺の後ろにいる男はまるで恥ずかしがるように俺を抱え直した。俺を挟んでいちゃいちゃしないでくれ。
その間もナかにいれた指でしこりにゆっくり圧をかけはじめ、俺の声も比例してどんどん大きくなる。こいつ卑怯だろ二人がかりで。

「あっ、んっ…んんんッ!おすな、ぁ…っ!ん、あっあ、ァッ!」
「それにしても結構ガバガバだなあ」
「ぁっ…あ、ぁっ…っ」

ずるり、と二本の指が肉壁を引っ掻きながら抜け落ち、俺は身体をのけ反らせて「あ、ぁあ゛〜〜〜ッ!」悲鳴を上げた。悶えて暴れる身体を強引に押さえつけられ、二本の指が抜けたあとの穴がぽっかり開いたままひくついているのが自分でも分かる。わあ、とそこを注視する男の不躾な視線から何とか隠そうと身を捩る。開かれたままの足じゃ隠しようもない。

「えっちだなあ…あ、もしかしてこれ」

男は無防備に転がっていた出しっぱなしの玩具を拾い上げる。それはさっき使ったオナホと一緒に買ったもので、また後で試そうと思っていたもの。まだ未使用のその箱を勝手に開けて、そのバイブを取り出す。
デカチンサイズ、と書いてあったのは見た。ただそのサイズが想像以上に太く長い。へえ、と言いながら男はそれを回したり触ったりして眺めている。

「これとかすぐ入りそう…」
「おい…やめろって、まっ…!」

バイブが俺のちんこにあてられ、我慢汁をつけるように滑らせる。その硬い感触が裏筋を撫でると「ぁ、はぁんッ」と俺のとは思えない甘い声が出た。

ずりゅっぐにゅっずるっずるっ

「ん、ぁ、ずりずり、すんなぁッ…!」
「ボタンあるけどこれもしかして動くの?」
「えっ?…いや、ばかばかばかっ押すなって、…ぁ、あ〜〜ッ!」

ぐにんっぐりんっぐりんっぐいんッ

「んぁ、あ゛!」

ちんこに押し当てていたものを、ずるずる下へなぞりながら落ちていく。目指しているのがどこか分かった、最悪だ。

「このまま挿れられるかな…?よっと、」
「むりっ、無理だって、ぇ…っぁ、あ、ぁ、ああ゛ッ〜〜〜!はいってる、う、からァ…んあっあっ!」

指とは違う圧迫感をもって、質量のあるものがゆっくり中を押し開いていく。詰まる息に身体が強張り、全身が汗ばんでいく。

うぃんうぃんうぃんうぃんーーー
ぐちゅっぐちゅっじゅぶっじゅぶぶぶぶ…
「あッあっ!あんっあ゛っ!あ゛あ゛」

感じたくないのに、暴力的な快感についその玩具を締め付けて、その途端に中を抉られ、快感を逃がすこともできず気持ちよさがどんどん身体に溜まっていく。容赦なく奥のしこりを狙って小刻みに動かされ、目の前に火花が飛ぶ。喘ぎ続けているせいでだらだらと涎が流れ出ているのが首筋を伝う。そんなことすら気持ちよくて、頭がおかしくなりそうだった。
執拗にバイブを動かされ、アクメが来るのが分かって足やら腹やら全身に力が入る。同時にきゅうきゅう締め付けてしまうと、それを見た男が視界の隅でにやりと笑うのが見える。ああやばい、嫌な予感しかしない。思わず足を抱える腕に縋っていた。

「こっちも虐めてあげる」

だらだら汁を零したまま腹の上でぴくぴく震えていたちんこを手に取られ、ぞわっと背筋を何かが昇る。今は無理、いっしょはだめだ、絶対だめなのに…!

ぐちゅっぐちゅっぐちゅぐちゅっ
じゅぶじゅぶ、ずぶぶぶ…ぐりっぐにっぐりんッ

「あ゛!あ゛っ!むりぃ…ッなんで、ぁあ゛ッもう、やだッすぼすぼっしないでぇ!そこ、えぐったらぁ…ッあ゛ッいくッいく、いくッ〜〜〜〜〜あ゛あぁああ゛あ゛ッ!」
「うわーすっごいアクメ」

すさまじい快感に頭をのけぞらせて、叫んでいた。勢いよく出た精液が自分の顔の方まで飛んでくる。足がぴんっと伸びて、全身が壊れたみたいに痙攣した。はあはあ、と息を荒げて何とか残った快感を抑えようにも、嘲笑うみたいに敏感になった肌に精液を塗り広げてくるこいつが腹立つ。それすら、気持ちいい。
ずる、とバイブが抜けたのに「はぁんっ...」と甘えるような声が出た。

「じゃあ、本番といきますか」

このおかしな饗宴が終わってないことを悟り、俺は気が遠くなっていくのが分かった。

よっこらせ、と親父臭い掛け声とともに、ずっと抱えられていた足が解放される。開きっぱなしだったせいで股関節が痛いし軋むような感覚を覚える、だけどそれもつかの間のことで、今度は細い男が足を持って、さんざん虐められたそこを明かす。
にこにこと笑いながら男が前を開くと勢いよくちんこが飛び出てくる。いや、はあ?でかすぎだろ。
それが今にも狙いを定めていることに気付き、ぎょっとして体を起こすもすぐに後ろにいたデカい男に肩を押さえつけられる。

上からのぞき込んでくる静かな目が、熱を持っていて、思わず顔が赤くなる。こいつも、興奮してる。

「見つめあっちゃってさー、こっちも、見てよ」
「んっ…はぁ、んんんッ!あ、ぁ、あ゛いきなり、ぃッ」
「あー、あっつ…最高すぎる」
「あ、やめろ、いれんな、ぁあ゛!」

激しい揺さぶりにぐわんぐわんと揺れる視界。
じゅぶっぶじゅっじゅぼっじゅぼっ

「えー?こんなきゅうきゅうおまんこ締め付けてるのに?」
「違っ、ん、ぁッ…ぐちゅぐちゅしないでぇッ、まんこだめなの…ッ」
「えーこんなトロトロしてる、のにっ?」

熱い肉が俺の中を犯して、暴いている。手とも、オナホとも違う。いつもとは違う感覚に俺は戸惑い混乱していた。
こいつのちんこは馬鹿みたいにでかくて、さっきのバイブと同じかそれ以上。中を激しくかき混ぜられ、おもいきり前立腺を潰された。
ついに犯されてしまった。ぼろぼろと壊れた蛇口みたいに涙が止まらなくて、鼻水も出てぐしゃぐしゃだ。なのに背筋が震えるほどの快感が荒波のようにあっという間に俺を飲み込んでいく。

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