天女じゃねぇよ忍者だよ



 
 
 
みんなに教えてあげよう。



私、みぞれは、某天女の如く空から落下しています。



『ちょ、まっ、風圧やばあああああああああ!!!落ちるううううぎゃああああああ!!!!』



何故こんな事になったかは謎だが、あの天女が関係してるって事だけはハッキリしている。



今度会ったら即殺すッ!!!!!



っていうかヤバい!!何これヤバい!!あの天女共はたかが忍たま達にちやほやされたいがためにこんな落下を毎回して来てるの?!!!!あいつ等バカじゃねェの?!!!!!



遥か下にある地面を見渡すが、圧倒的に緑が少ない。大半を占めているあの白っぽい部分は何だ?っていうかだんだん地面近付いてますけどどうする!!まだ天女も三郎も殺してないから死ぬわけにはいかない!!



なんとかあの緑の部分に落ちるしかないな。運が良ければ命だけは助かるかもしれない。



そう覚悟した瞬間、ブニョンという感触が体を包み込んだ。



…………ブニョン?



それはなんとも不思議な感触で、思考が一瞬だけ停止する。



「大丈夫ですか?いやぁ先生がイタリアにピザを食べに行った帰りで良かったですねぇ」

『……………』








……謎の生物に捕獲された。



目の前にいるソレは、以前七松が「見てくれ!みぞれの似顔絵描いたぞ!」と見せつけられた駄作にそっくりだ。



「スカイダイビングではなさそうですねぇ、とりあえず学校に降りましょうすぐそこですから」



そう言うと、謎の生物は私を抱えたまま垂直降下し始めた。



そう、垂直降下だ。



叫ばなかった私を褒めろ。








* * *








 
若干フラつく足を無理矢理立たせ、すぐに“反応”出来るようこの謎の生物から少し距離をとる。



警戒は解かぬまま、この謎の生物を観察する。まず手足がおかしい。関節がおかしい。ヌルッとしてる時点でおかしい。あと足が多いのおかしい。



まさかとは思うが、こいつあの天女の手下か?まさかな。いや待て、こんなに都合良く事が進んでいく筈がないやっぱりあの天女人間じゃなかったんだな!!次会ったら遠慮なく殺すッ!!!!あと鉢屋三郎も殺すッ!!!!!!



「実は先生、一昨日占い師さんに言われたんです。近々空から落ちてくるモノを拾うでしょうと」

『待てコラ私はモノじゃねェよタコ野郎。もう間違いなくてめェ天女の手下だろ?焼いて食ってやるからおとなしく死ね!!!!』



懐から苦無を取り、天女の手下であろうタコ野郎目掛けて斬りかかった。



『!』

「おやおや、お転婆ですねぇ」



決して油断や手加減をした覚えはない。だが、攻撃の手応えが全くない。さらには握っていた苦無は天女の手下であろうタコ野郎の手の中にあり、何故か爪が手入れされてキラリと光沢を放っている。



『貴様、あのクソ天女とは違うみたいね。何者だ』



ぶわり、と殺気が溢れ出す。



「ヌルフフフ、先生は殺せんせーです」

『は?』



ころせんせえ……?



先生という事は教師か?まさかここはあの天女共を育成している学舎か?!!な、なんておぞましいっ!!!!!



「それにしても、随分と古風なコスプレですね。この苦無も本物の刃物ですよね?子どもが持ったら危ないですよ」

『こ……すぷ、れ』



その単語には聞き覚えがある。第一次天女事変の時から天女に媚びている私が、いやと言う程聞かされた未来の単語。



いや、そんな、まさか。



「殺せんせー!授業始まっちゃうよー!」

「あれ?誰かいるよ!」


 
どうしたどうしたと、自分と同じ年頃くらいの子どもが集まってきた。その子ども達は見たことのない服装をしていた。いや、見覚えはある。あの天女共が着ていた“せいふく”という着物に似ている。



ま、ま、まさか、ここは、本当に天女共の世界なのか?!



『おいそこのお前、一つ聞く。ここは“へいせい”か?』



私は、一番近くにいた女に話しかけた。それにしても、同じ年頃くらいだというのに、なんとまあお粗末な体型だろうか。女でそんな凹凸のない体型など見たことがない。後輩であるユキやトモミの方が圧倒的にマシだ。おシゲはちょっと論外だけども。



そんな事を考えていたら、お粗末体型女子がとんでもない発言をしてくれた。



「平成?そうだよ?」



な、



な、な、



な、ななななんだとォォォォ??!!!あのクソ天女めやりやがったなァァァァァアア!!!次会ったら絶っっっっ対殺すッ!!!!!!










あと鉢屋三郎も殺すッ!!!!!!










過去から未来へ
(天女の養育場なら潰すのみ!)



 



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