メイメイside
ユキが立ち去った後――私は椅子に座って背もたれに体を預け、小さく溜め息を吐いた
やはり、星の巡り合わせは予想できないものだ。
ユキに会うだけなら、それは可能性の範囲内。
ただ……"兆し"を抱いていたことには、流石に驚いたわ……。
いや、私は知っていた。予想は出来ていた。
帝都で会った時から、彼には"兆し"の兆候があった。
それは彼の星の巡りによるものでありーー彼の過去からくるものであり、それが背負わせた業によるものであり、これから背負うであろう業からであり。
故に彼は、抱いてしまった。
星が宿業を巡るきっかけを。
彼を長時間にわたって引き留めたのも、その"兆し"を見極めるため。
まあ、久々の再会が嬉しかったから、ってのもあるけどねぇ♪
結局、その行く末を見極めることはできなかったけど……それでも、ユキが抱いていた"兆し"……。
"兆し"のままで終わればいいけど……。
星の巡りというものは、本人次第で幾らでも変えられる。
そう、変えられるのだーー"本人"なら……。
幾ら他人の星の巡りが見えたとしても、私はその人じゃないから、どうすることも出来ない。
「気を付けるのよ、ユキ」
こうやって、貴方の身を案じることだけが、唯一私がしてあげられること……。
第12話-終-[*prev] [next#]
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