「それもそうねぇ。じゃっ!また夜になったら「却下」……何も言ってないのに〜……」
残念そうにうなだれ、ちびりと酒を飲むメイメイを見かねて、頭を軽くポンポンと叩く。
「たまにだったら、また相手してやるよ」
「本当?」
「たまーに、だけどな。お前の酒量に毎回付き合ってたら、冗談抜きで体が保たねーし」
「もう大歓迎よ〜♪何だったら、お友達も連れていらっしゃいな」
「はは、そうだねぇ」
時間がとれたら飲みに来ると約束し、俺は店から立ち去ろうと、椅子から立ち上がった。
「んああ、ちょっと待って。再会記念に、いいものあげるわ」
「んー?」
ふらふらと店の奥に行き、何かゴソゴソやっていると思ったら、色々と荷物を抱えて戻ってきた。
「海賊やってるなら、海賊旗でしょぉ……先生のお友達には、教科書一式をあげちゃうわ!」
「おー、こりゃ凄い……。つーか、当然の如く俺の周辺事情を知っているのは、やっぱり“乙女の秘密”か?」
「にゃは。それはこのメイメイさんが、凄腕の占い師だからよん♪」
「ほー、相変わらず意味不明だけど、何となく凄いことは伝わった」
「並の占い師とは、格が違うってものよ〜」
やけに自信満々に胸を張るメイメイに、思わず苦笑する。
まあ、有り難いことに変わりはないし、コイツのこの性格は元からだし。
こっちに深く干渉してこない以上、俺も余計な詮索はしない。
コイツが何者であれ、だ。
ヘラヘラと手を振るメイメイにニコリと微笑み、礼を述べる。
メイメイは「気にしない気にしない」と言いながら、上機嫌で残っていた酒を飲み干した。
「武器なんかも揃えてるけど、見てみる?お友達価格でご奉仕させてもらうわよ〜?」
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