音のした場所は、どうやら集落があるという方面らしい。

その場に駆けつけると、サプレスとシルターンの召喚獣が、謎の一団と戦っていた。



「何だってんだァ?この島は……化け物だらけじゃねえかよ!?」


顔に刺青をした緑髪の男が、苛立ちとも驚愕ともつかぬ言葉と共に、召喚術を発動させる。
それに続くよう、他の男達も召喚術を放つ。


召喚術の一斉射撃を受けた召喚獣たちは、満身創痍といった感じだ。



「おいおい、連中が着てるあの服は……」
「ああ、間違いない!」
「帝国軍の軍服です!!」
「ユキ、センセ!」


茂みから様子を窺っていると、カイル達も到着した。


「どうやら敵さん、帝国の軍人だぜ」
「奴らもこの島に流れ着いてたのかよ!」
「ねえ、どうするの!?」
「決まってるだろソノラ……あいつらを止めるんだ!!」
「レックスの言う通りです!こんなこと、黙って見ている訳にはいきません!!」
「二人共、あれは護人ではありませんか?確か……キュウマさんとファルゼンさんです!!」



ヤードに言われて見てみると、新たに二人が戦闘に加わっていた。

巨大な鎧の戦士と、シノビ風の青年。



「タチサレ……サモナクバ、タタキノメス!!」
「これ以上の狼藉は、我らが許さぬ!!」



二人は傷付いた召喚獣達を庇いながら、帝国兵の攻撃を回避しつつ反撃している。

だが、召喚獣達を庇っているのと、集中的に狙われているのとで、かなり不利な状況だ。



「あれが現実よ」



後ろを振り返ると、眼鏡をかけた融機人らしき女性と、バンダナを巻いたメイトルパの亜人だと思われる男性がいた。

この二人も、護人とやらなのだろう。



「人間はな、異分子を嫌うのさ。奴らにとっちゃ、俺たちは化け物以外の何者でもねえんだよ」
「だからって、こんな状況を見過ごすわけにはいかないよ!」
「おうよ!行くぜみんな!!」



レックスとカイルを筆頭に、みんなが帝国兵達との戦闘に加わる。

俺は小さく息を吐き、前髪を掻き上げる。



「まったく、話もそこそこに突っ込んでいきやがって。本当、馬鹿な連中だよな」



俺は腰の双刀を抜き、後ろの二人にそう言って笑う。


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