フタをして閉じ込めて 



「ねぇ、雪。前にさ、荷物持ってくれた男の人いたじゃん。」

あたしの布団を敷いている手が一瞬、止まった。

「うん、何?」

どうか気が付かれないように、と。



「あれから会ってない?」

「ううん、たまにコンビニで会うよ。」

親友に嘘をつく心苦しさよりも、この感情を隠すのに必死だった。

「そうなんだ、いいな〜。何かしゃべったりする?」

「え?立ち話しぐらいは…。」



待って?

『いいな』って、何?



「へぇ〜!仲良くなった系?」

「え、いや。別にご近所さんだし。」

仲良くなんてなれてない。

まだ名前も知らないのに…、ね。



「あんなカッコ良い人が彼氏だったら超自慢じゃない!?」

瑠乃に対してもあの人に対しても溢れそうになったこの感情を、さっきよりも必死になって隠した。

-27-

[] | []

目次 表紙
W.A
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -