両極端な日
あたしは羽根が生えたんじゃないかってぐらい、軽い足取りである場所に向かっていた。
信じられない事に、合格したのだ。
向かっている先は、もちろん『段ボールの人』の部屋。
誰よりも彼に、この事を伝えたい!
タンタンタンっとリズミカルに階段を登り、彼の部屋を目指す。
何も考えずにいきなり来ちゃったけど、大丈夫かな!?
今になって一抹の不安を感じる。
いなきゃいないで夜のコンビニででいいし、迷惑そうにされても3秒あれば伝えられるし!
自己都合で解釈し、あたしの右手の人差し指はインターフォンを鳴らした。
ポーン…。
出ない。留守かな。
それとも夜出歩いてる人だから、まだ寝てるとか?
ポーン…。
もう1度鳴らすが、やはり出ない。
諦めて帰ろうとした時、人の声が聞こえた。
話し声。
最初はそう思ったが、すぐ違うモノだと気付く。
あたしは耳を塞ぎ、彼の部屋の前から走り去った。
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