過程と結果 



「瑠乃、合格したって!」

その日、あたしと『段ボールの人』は夕方に公園で猫にエサをあげていた。

「誰、リノって。友達?」

「そっか、名前知らないっけ。前に荷物を持ってくれた時、一緒にいたコ。」

「あー。」

彼は猫に視線を向けたまま、その長い指で撫でている。

「瑠乃は私立だから発表早いんだよね。」



あたしも受験自体は終わっている。

しかし彼は一切、出来については触れて来ない。



「来週にはあたしも合否出ちゃうんだ…。ヤダな。」

擦り寄って来た子猫を抱きながら、憂欝になってトーンダウン。



「あのな。もう終わったんだよ。今さらあがいたって何も変わらない。」



前は励ましてくれてた気がするけど、最近はちょっと冷たく感じてしまう。

けど言ってる事は、正しいよね。



すんなり受け入れられないのは、あたしがまだ子供だからなのかな。

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