ばったり!! 



…。

「あッ!」

あたしは驚いて声を出す。

それは、予想以上に店内に響いた。



そしてガラスに映った彼と、目が合う。

「段ボールの人!」

「あー、えっと。」

あたしは安心したのと嬉しいのとで、彼を目指して走る。

「何してるんですか?」

「ご覧の通り、立ち読みですが。」

彼が手にしている雑誌が視界に入ると同時に、あたしは赤面して俯いた。



そんな…堂々と…。

変な本立ち読みするなーッ!!



あたしは今度は牛乳目指して歩き、レジに向かった。

「126円です。」「こんな時間に何してんの?」

「!?」

レジの人と背後の『段ボールの人』に同時に話しかけられ、あたしはオロオロする。

「…いや、払いなよ。」

レジに表示された金額を指差しながら、あたしを促す彼。






「いきなり声かけないで下さい。」

ふたりでコンビニを出て、あたしは文句を言った。

ただでさえこんな深夜に出歩いている事に緊張してるんだから。

「先に声かけたのはユキちゃんでしょー。」

「あ。名前、覚えててくれてたんだ!」

ちょっと嬉しい。

-15-

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