拾い物
どうしよう…。
どうしよう…。
明日、三者面談がある。
もちろんお父さんは会社を休んで来てくれると言っていたから、いいんだけど。
あれから出来るだけ勉強もした。
一臣くんも塾がない日は、あたしに教えてくれていた。
けど自分の限界なんて、自分でとっくに気付いていた。
無理だよ。
毎年、定員割れで有名なヤンキー高校ぐらいしか入れないよ。
ヤバい、ホントにヤバい。
どうしたらいいか、全然分かんない。
頭が良くなる方法とか、
効率のいい学習法とかじゃなくって。
あたし、どうしたらいいか分かんない。
「泣いてんの?」
顔を上げて声の先を見ると、『段ボールの人』。
「…。なに、それ。」
あたしはダラっとポケットに手を突っ込んでいる彼の足元を、指差した。
「知らん。懐かれた。」
そこには5〜6匹の猫が。
「エサ、あげたとか?」
「いいや、公園でちょっと構ってやっただけ。エサなんかやってない。」
「それより何で泣いてんだよ。」
ゆっくりとあたしに近づく彼。
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W.A×