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「わかっ…若ぁ…さっき、ついさっきっ何かが俺の中に入ってっ」
と声をあげて涙を溢れさせる。普段の冷静な姿からは想像できない狼狽する姿に惣一は逆に冷静になった。
「状況はわかるか?」
また松田の目からは涙が溢れる。こくこくと壊れた首ふり人形の様に頷く姿は恐怖で引き攣っている。
惣一の胸元の着物を握りしめる松田の手を安心させるように惣一は握ってやった。
「初めてか?」
コクリッと頷く松田に伸し掛かり額に口付けをおとすと、囁く。
「優しくしてやる、お前はただ感じていればいい」


丁寧すぎるほどに惣一は松田の体を拓かせていった。やがて惣一が自身をあてがうとグチュッという水音と共に松田は初めて男に貫かれた。
「あっぁっ…」
ハクハクと息をつく松田の頬や瞼を宥める様に口付ける。惣一は二人の間に挟まれて、切なく甘い蜜を零す松田のペニスを愛撫する。
「わかぁ…やぁぁ、駄目で…ふぅぁ…あぁ…」
「いいから、一回イっておけ」
そのまま松田はピュピュッと自分の腹に白濁を零す。
だがイって敏感に震える松田の足を胸のところまで押していやらしく体をひらかせると惣一はイって敏感な松田の体にペニスを緩やかに打ち付けた。
「くっ」
「ぁぁっぁっ」
ゆっくりと緩慢な動きで奥の奥まで暴き、少しずつ松田に男の味を覚え込ませ、刻み込ませるようなほどにゆっくりと…抱く方は辛いが、抱かれる側は蕩けるしかない抱き方だった。
それはただ惣一が不本意に男に抱かれる松田に気遣ってるだけのことだが松田からしたら手ひどく痛めつけられた方があるいは良かったのかもしれない。ゆっくりと、ゆっくりと初めての松田すらぐずぐずにとける交わりだった。

もう何回突かれたのか分からない程、後ろを緩やかともいえる動作で突かれて松田は自分の体の変化に戸惑っていた。苦痛は無い。あるのはただ熔けるような快楽だけだ。
「あっんぅっはぁっやっ若っわかぁっオレぇっオレっもうっやっダメぇっこれぇっだめっ」
ゆるゆると燻るような快楽に松田は首を振るが惣一は許さずに、ゆっくりと自身を埋めてグチュッと淫猥な音をたてて入口まで引き出し、またゆっくりと奥の奥までみっちりとゆっくり突き入れる。その一突きごとに松田はイイ声で艶やかに鳴いた。
やがてどれぐらいそれが続いたのか、松田は緩やかに何度も上り詰めて二人の間に精を出していたが彼の体は蕩けて中の媚肉が女のように惣一のものに絡みつき出した時、惣一はもう充分と思ったのだろう、グッタリとした松田の足を自分の肩にかけるとペニスの裏側にある一点を角度を変えて突き上げた。
「あっあああああんっっふぁああっ」
途端に蕩けきって弛緩していた松田の肢体が惣一の腕の中でピンッと張り詰めて仰け反る。
「あああっやぁぁつはぁぁんっ」
何がなんだか分からず、更なる快楽の渦に突き落とされた松田は頭を振って快楽から逃れようとするが叶わず、自分を囲うように両手をついて犯す男の腕に縋りつき爪をたてて喘ぐしかなかった。
しかも惣一はもう松田が男を受け入れられると分かったのだろう、肩に松田の足をかけて松田が逃げられないようにしていた姿勢を保ちながら彼の奥の奥まで犯しぬいて前立腺を巻き込みながら突き上げた。
グチュグチュヌチュヌチュッと水音がいやらしく響いている。
「はああっんうっわかっああぁだめぇええっわかぁっぁっだめぇですっ」
パンパンパングジュグジュグジュッと肉体が絡まりあう淫猥な音。
そして松田は女のようにイキっぱなしになった。松田が瞳を見開き、そこからポロッと生理反射で涙が零れる。
その瞳には自分を抱いていながらも冷静な光を瞳に宿す男の、惣一が映っていた。
(若っ)
もっと自分を見て欲しくて、キスをと強請っても惣一はついぞ松田に口付けをすることはなかった。







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