ザワリッと惣一の背筋から怒りが溢れた、独りよがりなこ とをされることは死ぬほど嫌いな性質だ。 水音とともに離れた唇の温度に、黒琥を殴りかけた惣一は …だが目に飛び込んできた光景に動きが止まった…なぜな ら泣きながら黒琥が自分に縋っていたからだ。

「・・・すきだ」

恋情が空気から伝わる様な視線で黒琥は惣一を見詰めてい た…そんな視線を向けられたことは今まで経験など無かっ た…憎んで、憎まれるような関係だった筈だ。

それなのに、クチュリッと舌を絡めて息すら貪る様なキス を再び仕掛けられる。 ゆっくりと惣一の上に圧し掛かってくる黒琥は欲情した目 で惣一を見ていた。 自分に跨り、濡れた身体と男を誘う壮絶な色香。 それに呑まれるように惣一は″弟″の背に手を這わしてい た。それに合わせる様に黒琥も惣一に手を伸ばす。

車の中で下着姿になって毛布に包まれていただけの体は直 ぐに露わとなり、黒琥は自分の周りに纏わりついていた厚 手の毛布をスッと引っ張って惣一に口付けを仕掛けながら 、二人の背に置くと、流れる様な手の動きで次いで惣一の ベルトを緩める。 カチャッと甲高い金属音が水音に交じる…その間も黒琥は 惣一の体にも手を這わし、彼のシャツをズボンから引き抜 くと惣一の下半身を撫で上げて高ぶらせる、 「っつ…どこで覚えたっ」 ハッと息を吐くように欲情の声を漏らせば、黒琥は淫蕩し て笑い、惣一に手を伸ばして顔を引き寄せる。 シャワーが二人に降り注いでいる。

「あっ惣一っ」 引き寄せられるままに惣一が舌でピチャリと乳首を舐める と、黒琥は快楽に震え、抱き寄せる惣一の頭に力を入れて 、もっととせがむ。 そのままクチュクチュと舐めて、甘噛みしながら弟の下半 身に愛撫してやれば、頭上で黒琥は艶やかに鳴いた。 そして、ゆっくりと体を離すと黒琥は足に引っかかってい た自分でライダースーツを全て脱ぎ、次に惣一のズボンの ジッパーを下げて、躊躇なく顔を寄せるとピチャリッと舌 を這わせる。 「つっ…お前…」 シャワーの流れる音に混じって銜えられた直接的な刺激に 惣一は息を吐き出すが快楽はズルリッと彼の体を覆った。

なぜ、こんなことになった。 淫売の子供は淫売だなと口汚く罵って、殴ればいいのにそ れが出来ない… きっとそれは…こいつが俺を本気で欲しいと思っていると 分かるからだ。

そして立ち上がった惣一のものに跨り、黒琥はそれを自分 の後孔にあてがう。

「…ぁっ…惣一っ」

対面座位の格好で黒琥は惣一のものを受け入れようとして いるようだった。 ザァザァとシャワーが降り注ぎ…全身を濡らして自分に跨 る黒琥は妖艶で、惣一は呻く。 グチュリッと淫靡な水音とともに黒琥は自らの中に惣一を 招き入れ、ゆっくりと男を食んでいく。途端に二人を鮮烈 な快楽が包む、 「はぁっ……ぁぁっ…んぅっ」 黒琥が恍惚とした声で仰け反れば、 「っ黒琥…くそっ…」 晒される無防備な首筋に欲情した惣一はその怜悧な顔を歪 め、娼婦のような淫らさで惣一を煽る弟を見上げれば、 「好きだっ…愛してるっ」 また黒琥の瞳から雨のように涙が零れた。 泣きながら惣一と繋がって悦んでいるのが惣一にも伝わっ てくる…キュウキュウッと締め付ける体は女よりも具合が 良いかもしれない。愛されている感覚が惣一の心を鮮烈に 焼いた。 「っ…何を言ってっ…ぁっ…くっ」 「ごめんっ好きだ…」 謝りながら、泣きながらゆっくりと自ら腰を動かして惣一 を求める黒琥に、その時、確かに惣一は欲情していた。 クチュグチュッ ヌチュッと出たり入ったりして兄弟で絡 まりあう。 (…何で、こんなことになった。半分血が繋がってるのに 俺は…) 黒琥を抱きつぶしてしまいたい凶暴なほどの欲情が惣一の 理性を混乱させる。

だが…体は素直に弟を犯し続ける。

「はぁっくぅっ…」 「ぁっぁぁっんぅっ」 どちらの喘ぎ声なのか…シャワーの音に絡まって熱が上が るようだった…ゆるゆると快楽の高い場所で二人で繋がっ ているような感覚。 どれぐらい、そうしていただろう風呂場は固すぎて惣一は 好きには動けず、黒琥に任せるが弟はどこで覚えたのか非 常に上手い。惣一をキュウッと喰いしめ、追い詰める。 「くっ…っ」 「はぁっんぅっあっ…惣一っ」 キスをして欲しいのだと分かった、するりっと絡まった腕 と下りてきた黒琥の顔。その唇に惣一は噛みつくように口 付ける。クチュリッと舌を絡ませて、伝うシャワーの水滴 すら飲み込みながら口内を蹂躙して互いの熱を煽れば、腕 の中の黒琥の体が震えはじめて…互いに限界と知った。 「ふぁっんっぁっ惣一っ」 「はぁっいいぜっイケよっ」 そして、そのまま口付けながら互いに同時に精を吐き出す …惣一はドクドクッと脈打つように弟の中へ注いだ。 「ぁ…ぁぁ」 染め上げられるように、とろんとした顔で少し舌を出しな がら惣一の精を受ける黒琥に、今度は惣一は頬に口付ける

「零すなよ?…残らず食え」

そして最後の一滴まで出すように、グチュッと黒琥の腰を 抱いて緩く突き上げた。




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