The Wedding of Sir Gawain and Dame Ragnelle(オンライン)

リクエスト・ガウェイン×アーサー&アーサー王時代の話。



これは古の昔のお話。

或る時、キャメロット城のアーサー王のもとに、若い女が駆け込んできました。
女は身分ある者らしく絹のドレスを哀れにも乱れさせて、切羽詰ったように髪も乱しておりました。

「陛下、アーサー王。どうぞ善良なる民に慈悲をおかけになり、お助け下さいませっ」

そう言ったきり泣き伏した女性に円卓の騎士たちは手をかし支えると、玉座にましますアーサー王に次第を話するよう促しました。
ガウェイン卿といえばアーサー王の側に控えながらも他の騎士たちが女性に願いを奏上するよう勧めるのを、心に引っかかって見ておりました。

アーサー王は慈悲深いのでございます。
とても、とても。
それこそ妖精王に愛され、大陸を統治せしめたほどに慈悲深く強い王なのです。

故に本来なら統治者として美徳であるべきそれによって、大勢の民の悩みをアーサーが王として独り抱え、民の苦しみを払うために心血を注いでしまうことをガウェイン卿は長い間で知っていました。
だからこそガウェイン卿はアーサー王を傍らで支えたいと想っておりますが、民の願いは王しか抱えられぬものであり、ガウェイン卿には抱えることは出来ないものなのでございます。


それはまるで独り玉座に在るアーサーに降りかかる呪いのようだともガウェイン卿は思います。


そんなことを考えている間にも、女は哀れに泣きながらも懸命に事の次第を陛下に奏上なさいます。
そんな婦人の涙を誘う姿にすらガウェイン卿は心は動かされませんでした。
それよりその婦人の涙を受け止めるアーサー王の姿を横から盗み見れば、王はガウェイン卿が思った通り、女性を気遣わしげに見ております。
そんなアーサー王を騎士として誇りに思う反面、ガウェイン卿はアーサー王の心を抱きしめてしまいたいと暴力的な気持ちに切なくなるのでございます。




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