「黒田!やめろっつってんだろうがっ!」

俺のことを無視する黒田なんて初めてのことで、俺は慌てながら叫んだ。
でも黒田は止めてくれなくて、そのままオレを湯船の中へ下ろす。

ザブンッ

スーツがずぶ濡れになることを黒田は全く気にしてなかった。
ただオレのことを眼光鋭く見つめてくる。
やっぱ男前だ。

「黒田…?」

そのまま黒田は端正な顔がゆっくり近づいてくる。

「やめろっ」

思わず、その黒田の男らしい唇を手で覆ってしまった。するとそれが気に障ったらしい黒田が凄絶に嗤う。
ヤベェ、どうすればいいんだよコレ。
今のところ黒田の機嫌を煽ることしかオレはしてない。

「他の野郎が触れるのを許して、俺には許さないんですか?坊?」

それはっ!!

「違うっ!!オレは、嫌だったのにっ!!」

勝手にゲームの主人公にされて!!と言葉は続かなかった。

黒田が力づくで俺の手を押しのけて、唇を奪ってきたから。
すぐに侵入してきた舌がクチュクチュと俺の中を暴く。
舌を吸われて、唇も甘噛みされて、唾液がからまる。

「んぅっはぁっあぁっ」

息を奪って、意思も溶かすように黒田はオレにキスする。
ヤクザで手慣れてる黒田にかかれば俺をキス一つで溶かすのも簡単だろう。

クチュリッと口の中を舌でひと舐めされて体が震えた。

突然のことに目も閉じれなかったオレの表情を焼きつけるように黒田も目を閉じない。
あぁこんな風にガチでキレてる黒田は久しぶりだ、なんてキスで溶けた頭でぼんやりと思う。

そのままザブンッと黒田がスーツ姿のまま湯船へ入ってきた。
乱れた息のままオレは黒田を見上げる。
黒田の男らしい体、唇には妖艶な笑みを浮かべ、シュルッとネクタイを抜き取る。
濡れそぼったスーツが黒田の体に張り付いて、より男らしさを強調して、何故か目眩がした。

「坊。あとは体に聞きます。」

そのまま覆いかぶさってくる黒田を、押し返すだけの力は俺にはもう無かった。







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