想いの在処

風が吹き抜けた・・・

ザアアアァァァァアアア・・・・・

丁度、吉野くんだり・・・
桜の花びらが舞い落ちる・・・
それに本宮はフッと嫌な予感がして先程来た、京を振り返った。
五重塔や重厚な邸が遠目からでも見える…常世の治める京。

「常世・・・?」

ふわりっと花びらが舞い散る・・・

「気のせいか・・・」

もしこの時戻っていたら・・・何かが変わっていたのだろうか?
鯉伴は、そして江戸へ向かったのである・・・

たった一人の為に・・・本家を動かすため・・・
常世と義兄弟になるために・・・



ゆっくりと白亜は寝転がると、その上に自分に背を向ける形で常世を乗せた。
意図が読めないで振り返り、快楽に頬を染めた常世を、下から見上げる、
絶景、と思った。

軽く、指先で胸の飾りを愛撫すると常世が「んっ」と喘ぐ。
それに微笑んで白亜は言った。

「自分で入れて下さい、自分で私のものになって下さい」



蛟は龍神に通じる・・・
龍はその眷属を徐々に増やしてゆくことが知られているが・・・
その眷属になる方法は妖達の間でも余り知られていない・・・

というのも「蛟」の絶対数が少ないというのが一つ。
そして「眷属の者達」は主の龍に絶対の忠誠を誓い、決して眷属になった経緯を話さないからだった・・・

龍の毒とはそういった中で隠されてきた・・・
虜の毒・・・
一度、身の内に毒を受けると抗い難い快楽を生む・・・
その毒は常習性と毒を受けた者の心すら縛る・・・

毒は龍の精が最も強く・・・
身の内に龍の精を注がれた上で再び抱かれると・・・身も心も抱いた者の手へ堕ちる・・・


頭が熱い・・・俺は何なのか、分からない・・・
ただ欲しくて、奥まで熱いものが欲しい・・・欲しくてたまらない・・・

その毒に侵された欲望のままに常世は横たわる白亜のものに自分の体を合わせて、徐々に身を堕としていった・・・

グチュッ、チュッ

少しずつ、飲み込んでいく度に、身の内を熱が満たしていく度に・・・脳髄が快楽に染まる・・・

少しずつ、
少しずつ、

「あっんっ・・・ふっ・・・」

声が・・・自分が何を言ってるのか分からない・・・

「ほら常世様、美味しそうに私を飲み込んでいきますよっっ」

少しずつ、
少しずつ、

その言葉と共に白亜が常世の腰を掴んで一気にグチュッッと貫いた・・・

すべてが、犯される。

瞬間に頭が真白に染まる・・・

「ああぁあっっ」

身の内に注がれた白濁が繋がったところから僅かに零れていて・・・

それがたまらなく・・・愛オシイト思ッタ・・・
頭がトロトロに熔け出してゆく・・・俺を犯してる・・・白亜ガ・・・綺麗ダ・・・

俺ハ・・・白亜ガ・・・好キダカラ・・・

「っんっっ白亜っ、っ」

紅潮した頬、桜色の唇・・・濡れた漆黒の瞳・・・
常世の姿に白亜はたまらず起き上がって、常世のしなやかな背に口付けた。

この瞬間で死ねる・・・
ずっと焦がれてた・・・
私の・・・たった一人の総大将・・・

そして白亜は起き上がると、常世の膝を抱え上げて、丁度、布団の右横にあった鏡台の前で繋がっているところを曝け出した、

「やめぇっっあぁっ」

白亜の意図を察して、逃げようとしても両膝を抱え上げられて逃げられない・・・
露わに鏡に映し出される・・・繋がって、飲み込んで、美味そうに喰っている・・・俺・・・
その自分の姿が淫靡でキュウッキュウッに白亜を締め付けて、全身を包んでいる快楽が一気に増した・・・

「あぁ、ん・・・はくぁ・・・あぁ・・・」

顔を逸らそうとしたら耳を甘噛みされて引き戻された。

「ほら、私をこんなに締め付けて・・・鏡に映し出されて気持ちが良いんですね」

囁かれる睦言に、

「ちがぁっ、あっ」

否定の言葉を紡いでも。

鏡に映っているのは白亜に抱かれて悦んでいる紛れもない紅潮した自分の顔・・・
そして白亜の嬉しそうな顔が映っている・・・

「美味しそうに私を食べて・・・ここですよ。」

繋がってるところが露わに・・・ヒクついてる自分がわかる・・・犯されてる・・・

「ぁあっ」

前の欲望を弄られるだけで感じて、達しそうになる、けれど白亜がキュと俺自身の根元を指で押さえてしまってイケなかった。

「ああっ白亜っっ」

そんな意地悪をされても・・・愛オシクテ・・・
快楽しか考えられない・・・自分を抱いてる白亜が欲しくて堪らない・・・

「よこせよっっ俺をもっとっもっとっグチャグチャにしてくれっ」

汗がその漆黒の髪を濡らして・・・快楽に染まる常世の艶美な姿に白亜は笑った・・・

龍の毒に堕ちてきた・・・愛しい妖・・・常世様・・・

「ふふっ仰せのままに」

そのまま膝を抱え上げられたまま・・・後ろから再び犯された・・・

グチュッ、ヌチュッ、チュッ

水音が響いて・・・あられもない二人の吐息と嬌声が交じり合う・・・一番奥にズクッと熱が穿たれて、もう常世がイクと思った瞬間・・・白亜の動きが止まった・・・

それに泣きそうになる・・・イキたくてイキたくて、心が折れる・・・

「白亜っ・・・てめぇを、よこせぇ・・・」

少しずつ、自分で動く常世だったが、こんなんじゃあ足りない・・・

「しっっ」

だが白亜はそう言って、膝を降ろしたかと思うと、あいた手で常世の顔を振り向かせて、激しく口付け黙らせた。

その直後に庭先でバサッという羽音が聞こえ、玲瓏な声が響いた。

「常世様、黒影です。本日の御報告に参りました。」




常世には近従は二人居る・・・
白亜が左腕と呼ばれ・・・もう一人、右腕と呼ばれる強大な妖・・・

天魔組総大将・天狗・黒影がそうだった・・・

黒影は主に夜は空から京全体を偵察をしている・・・
外敵が入れば、いち早く対応し京を守り、内部で喧嘩があれば常世の名の元に治める・・・それが彼の仕事だ。

そして主に夜活動する妖の特性ゆえに、彼も夜に動き、朝に毎回、真貴の元で報告をする。
そしてこの日も何時も通りの報告の為に、彼は常世の元を訪れたのである・・・

昼の真っ青な空、太陽の光が眩しい・・・そこから黒影は羽音を響かせて真貴の部屋の前の庭へと舞い降りた・・・

「常世様、黒影です。本日の御報告に参りました。」

そして常世からの入室の返事を待っても、聞こえない・・・
気配はするのに・・・

そして・・・

「入って良いですよ、黒影。」

なぜか酷く楽しげな白亜の声が聞こえて・・・黒影はなぜか心臓がドクッと動くのがわかった・・・
それは予感だったのか・・・

「失礼!!」

踏み込んだ瞬間に黒影は驚愕でその金色の瞳を見開いた・・・
自分の主人を抱いている白亜の姿が目に飛び込んできた・・・




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